2021年 11月の記事

November 2021
カテゴリー:一般の記事
author: Masahiko Kato
新聞やニュースでご存じの方も多いかもしれません。
日本の認知症診療の第一人者であられた長谷川和夫先生が11月13日に他界されました。
92才、老衰でした。ご自身もまた認知症になったことを公表されておられました。

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長谷川先生は愛知県春日井市出身でらっしゃいます。
先生とのご縁を頂いたのは僕がちょうど積水ハウスの春日井店・店長の時でした。
営業で頑張っていた、30年以上前のことです。
ずっと空き家になっていた先生のご実家(愛知県春日井市)の有効利用を積水ハウスにご相談があり、先生が住んでおられた東京の積水ハウスの営業担当である塚田敏店長(当時)と共同で、具体的にアパートを提案させていただきました。

早速現地を確認、調査をしてこれがベストではと考えたプランを提出いたしました。
先生と僕との連絡はもっぱら電話が多く窓口にはもっぱら奥様がお出になる事が多かったように振り返ります。
先生とお話しした印象は、常に紳士で落ち着きがおありで、いつもしっかりと私の話を聞いて下さいました。
そんな先生ですから僕もできる限りの努力をさせて頂いたのは言うまでもありません。
東京の積水ハウス担当の塚田店長とお互いが先生に対して報告や連絡をさせて頂きご契約もさせて頂きました。
先生は当時聖マリアンヌ医科大学の教授であられました。

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あえて大変だったことは、春日井市にあるご実家と周辺の方々との境界が明確でなく官民境界と民民境界の確認で長谷川先生にも東京からおいでいただき、周辺の方も総出で境界確認をした時の事でしょうか・・・。
こうした時にはよく私利私欲がからんだりして裁判沙汰になったりもするのですが、案の定、近所の方々の「自分の敷地はここまである」という主張が飛び交いました。
ご立派だったのは長谷川先生が近所の方々の言い分を全てお聞きになって自分の土地を随分と譲歩されたことでした。

法務局に登記されている土地面積からすると随分と土地が少なくなってしまったように思われました。
先生は「わかりました」と近所の方々の主張を認められて、そういった状況での計画を進めていくよう私たちに指示されました。
またもう一つ、既存の建物の取り壊しの前に以前から建っていた母屋や、蔵の中が随分と知らないうちに荒らされてしまって中に在った様々なものが紛失されてしまったことでした。
これに対しても先生は寛大な対応を示され、私としては心が痛む気持ちにもなりましたが、先生の人間的な寛容さに胸が打たれたことが記憶に残っております。
なお、アパートは無事竣工し先生にも喜んでいただきました。

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長谷川先生は80代半ばまで現場で診療を継続されながら認知症の患者さん達の尊厳を守る活動に取組みもされました。
2004年厚生労働省の検討会の委員として当時「痴呆」という言葉を「認知症」という用語に変更されるため貢献もされました。

4年前ご自身が認知症になられたことを公表されましたが、その後も全国各地で講演を行われるなど認知症の患者さんへの理解を深める為精力的に行動されておられました。

息子さんである長谷川洋さんのお話があります。
お父様が認知症であると知った時の事「実は少しほっとしたんです」とおっしゃいました。
「え?それはどうしてでしょう?」
「父も私も精神科医です。いろんな場所で『認知症を完全に予防することはできません。誰にでもなる可能性があるのです』と言い続けてきました。でも多くの人は『認知症にならない方法もあるのではないか』『専門家は何か知っているのではないか』と思っているみたいでした。父は50年以上も認知症の研究をしている人で、誰よりも認知症に詳しい日本人だと思うのですが、そんな父でも認知症になった、これが『認知症って誰でもなるんだ』という証明かも知れません。当時私がそう言ったら父もうなずいて笑っていました」
ニコニコしながらそう話される息子の洋さん、そして笑い合う和夫先生。
さすが認知症と共に歩み続けた親子です。

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92才、この度素晴らしい生命を全うされました。
改めて長谷川先生に対し、お世話になった御礼・感謝を申し上げます。
先生に出会えたことに感謝し先生の素晴らしい人間性に触れる事が出来たことは幸せでした。

先生の日本の認知症に対しての研究は素晴らしいものでした。
どうぞ安らかにお眠り頂きます様お願い申し上げます。(合掌)
カテゴリー:接客/サービス
author: Masahiko Kato
皆さんご存じのように僕は積水ハウスの営業マンから出発しました。
コンプライアンスなんて言葉がなく、とにかくがむしゃらに仕事に向かった時代でした。
「 昨日徹夜して仕事頑張りました。」そういった行動に「よくやった」などと褒められもしました。
ウソのような話ですが当時は「血の小便を流せ!」などと口にする上司もいました。
残業やパワハラも当たり前の時代だったような気がします。
褒められることは極めて稀で、毎日毎日が叱られぱなっしの日々でした。
積水ハウスは今でこそ、イクメン企業などで脚光を浴びてはいますが、当時は営業力の積水ハウスが何よりの「売り」だったのです。

現在の物差しで、昔の事についてとやかく言うのは良し悪しです。
そういう時代があったからこそ今の日本が存在もします。
高度成長が世界における日本の地位を高めたことも事実です。

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さて、最近テレビを見る機会が減ってきました。
というか、ニュースや報道番組、歴史もの、スポーツ番組は以前と変わらず見ます。
最近の「カンブリア宮殿」で、浅草の河童橋商店街にある「飯田屋」さんが取り上げられていました。
大正元年創業の若き6代目社長の数々の失敗から現在の成功に結びつけるまでの50分間でしたが、とても新鮮で食い入るように見させていただきました。
6代目だそうですが、まだまだ随分と伸びしろのある経営者という感じの人で、ユニークな外見もいい感じですが、徹底的に懸命に仕事に取り組む姿勢には感心させられること事大でした。

早速、詳細が知りたくてアマゾンで「リアル店舗の奇跡」(飯田屋の社長の著書です)を購入し読ませていただきました。
飯田屋のホームページにも出てきますが、社員さん一人ひとりの仕事に向かう姿勢がとてもいいですね。
かつて社員の半数が会社を辞めたいという状態だったこととは大違いで、現在の従業員さん達はみんながそれぞれに仕事を楽しみながらやってらっしゃいます。

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小さな会社ですが、社員さんやアルバイトさん達が社長から認められている、任されている、そして自由に生きている感じが伝わってきました。
付加価値の高い=お客様から求められる商品を置くようにしたという形はあるにしろ、お客様からも求められている大事な人となっている社員さん達を垣間見る事ができました。

本の中にも10人の社員さん達の全員でのショットが出てきますが、一体感がありますね。
またみんなの笑顔がはじけて、仕事がとても楽しそうです。

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僕のサラリーマン時代にタイムスリップしますが、かつて「人に会うのは楽しい事だ!、お客様に会うのが大好きだ!」とみんなで唱和して仕事に出かけて行ったことがありました。
お客様に会う。
お客様に関心を持つ。
お客様を好きになる、
お客様に一生懸命になる・・・
不思議ですがそういったお客様との触れ合いをしていると、お客様も近づいてきてくれて売り上げの向上に結びつきました。

人生を楽しむためには仕事を好きになる事ですね。
仕事を楽しむためには業績を上げることが不可欠です。
業績アップの要因の一つはお客様と会う頻度を上げることでもあります。


今よりちょっと努力してお客様と会う努力をしてみましょう!!
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
2021年プロ野球ではヤクルト・ソワローズとオリックス・バッファローズが優勝しました。
この両チームに共通するのは前年度最下位からの優勝ということで、セ・パ両リーグ双方で前年度最下位チームが優勝したのは史上初めてという結果でした。

この結果を見て思うのはプロ野球12球団の力の差が大きくはないのではないか、ほとんど拮抗している状態で、いかにモチベーションを挙げて力を出せたかどうかが大きく影響したように感じられます。

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ヤクルト高津監督はオープン戦最下位で開幕を迎え、開幕後も3連敗スタート、そういった中で村上・中村・塩見あたりを中心に打撃が奮起、後半戦に入ると奥川や高橋など投手陣にも火が付き9月後半からは9連勝、13戦負けなしで阪神をかわして首位に立ち優勝へと導きました。

一方のオリックス中島監督、開幕戦を10連敗としてパリーグの記録を更新、4・5月は勝率5割を切って低空飛行状態、しかし交流戦に入って一気に躍進,勝率7割を上回って交流戦の優勝を決めました。投手陣の山本がリーグ最多の18勝、2年目の宮城が13勝、田嶋と山崎が8勝、野手では吉田が打率339で首位打者、杉本が32本塁打で本塁打王などで優勝への牽引を果たしました。

つい最近ですがシーズンオフになって中日は与田監督から立浪監督に、日本ハムは栗山監督からサプライズで新庄監督へとバトンタッチされました。

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立浪監督とはステーキ店のカウンターでお隣さんになったり、かつての私の顧問会社で立浪さんのご自宅を創らせていただいて親しみもありますが、PL学園で厳しい上下関係を経験し、星野監督の鉄拳制裁のもとでのプレー経験もある方です。
早速選手の「茶髪・長髪・ひげ禁止」を徹底して緊張感を持たせたチームつくりをスタートさせています。

宇宙人とも感じさせるパフォーマンスでメディアの脚光を浴びる新庄監督ですが、奇想天外な言動や容姿とは裏腹に、指揮官としての指導の内容はモノの本質を見極めきちんと計算されているものが殆どという現実が見て取れます。
「僕は選手に厳しくしようとは思っていない。僕がやって欲しい事をやったら厳しくなるだけ。それは何年か後に必ずプラスになる。やったら必ず『ありがとうございました』ってなるような練習をさせてあげたい。」というビッグ・ボスは基本に忠実であり、野球に対しての圧倒的な情熱と敬意、そして選手にかける言葉の重要性も理解されているように感じられます。

私達の仕事におけるマネジメントにも共通していますね。
マネージャーやリーダーの日々のメンバーに対しての振る舞いが結果に対して大きな影響力を持っていることは、間違いない事実だと考えます。

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業績の良い企業には良い空気が流れているものです。
そしてそういった空気を創っているのは社員さん達、その社員さん達を創っているのはマネージャーやリーダーたちです。

最下位から優勝したヤクルトやオリックスの現実を目にして感じる事は、良き環境を創っていく事こそ業績向上の大きなポイント、そして環境つくりこそが管理者の役割だという事でしょうか。