2021年プロ野球ではヤクルト・ソワローズとオリックス・バッファローズが優勝しました。
この両チームに共通するのは前年度最下位からの優勝ということで、セ・パ両リーグ双方で前年度最下位チームが優勝したのは史上初めてという結果でした。

この結果を見て思うのはプロ野球12球団の力の差が大きくはないのではないか、ほとんど拮抗している状態で、いかにモチベーションを挙げて力を出せたかどうかが大きく影響したように感じられます。

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ヤクルト高津監督はオープン戦最下位で開幕を迎え、開幕後も3連敗スタート、そういった中で村上・中村・塩見あたりを中心に打撃が奮起、後半戦に入ると奥川や高橋など投手陣にも火が付き9月後半からは9連勝、13戦負けなしで阪神をかわして首位に立ち優勝へと導きました。

一方のオリックス中島監督、開幕戦を10連敗としてパリーグの記録を更新、4・5月は勝率5割を切って低空飛行状態、しかし交流戦に入って一気に躍進,勝率7割を上回って交流戦の優勝を決めました。投手陣の山本がリーグ最多の18勝、2年目の宮城が13勝、田嶋と山崎が8勝、野手では吉田が打率339で首位打者、杉本が32本塁打で本塁打王などで優勝への牽引を果たしました。

つい最近ですがシーズンオフになって中日は与田監督から立浪監督に、日本ハムは栗山監督からサプライズで新庄監督へとバトンタッチされました。

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立浪監督とはステーキ店のカウンターでお隣さんになったり、かつての私の顧問会社で立浪さんのご自宅を創らせていただいて親しみもありますが、PL学園で厳しい上下関係を経験し、星野監督の鉄拳制裁のもとでのプレー経験もある方です。
早速選手の「茶髪・長髪・ひげ禁止」を徹底して緊張感を持たせたチームつくりをスタートさせています。

宇宙人とも感じさせるパフォーマンスでメディアの脚光を浴びる新庄監督ですが、奇想天外な言動や容姿とは裏腹に、指揮官としての指導の内容はモノの本質を見極めきちんと計算されているものが殆どという現実が見て取れます。
「僕は選手に厳しくしようとは思っていない。僕がやって欲しい事をやったら厳しくなるだけ。それは何年か後に必ずプラスになる。やったら必ず『ありがとうございました』ってなるような練習をさせてあげたい。」というビッグ・ボスは基本に忠実であり、野球に対しての圧倒的な情熱と敬意、そして選手にかける言葉の重要性も理解されているように感じられます。

私達の仕事におけるマネジメントにも共通していますね。
マネージャーやリーダーの日々のメンバーに対しての振る舞いが結果に対して大きな影響力を持っていることは、間違いない事実だと考えます。

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業績の良い企業には良い空気が流れているものです。
そしてそういった空気を創っているのは社員さん達、その社員さん達を創っているのはマネージャーやリーダーたちです。

最下位から優勝したヤクルトやオリックスの現実を目にして感じる事は、良き環境を創っていく事こそ業績向上の大きなポイント、そして環境つくりこそが管理者の役割だという事でしょうか。