2021年 10月の記事

October 2021
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
業績の良い企業には必ずその原因があります。
先日某企業の社内勉強会でお話しした感想をここで少し述べておきます。

勉強会を実行すると企業間格差が明確に出てきます。
また個人差もはっきりと出ますね。

企業における研修では必ず受講された後、皆さんからレポートを頂きます。
レポートを読ませていただいて感じる事は成長しようという気持ちが強い人がほとんどですが、悲しきや・・・一部そういった気持ちが薄い人が存在もします。
残念ですね。
せっかく会社としても費用をかけ、時間も取り、僕としても実践に役立つノウハウを提供しているのにかかわらず、実にもったいない話です。

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かつて私もいろんな講演会やらセミナーなどに積極的に参加していました。
社内での仕事から学びはもちろんあるわけですが、外からの声が自分の為になったことが数多くありました。
私たちは室内の空気を吸うだけでなく外からの空気を吸うことが重要に思います。
もうこれは自然界と同じですね。
「従順」に人の話を聞くこともある種能力のうちだと思っています。
また従順さは人を成長させる大きな要因だと考えてもいます。


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そんな中で多くのレポートは僕を勇気づけてもくれます。
受講者さんの気持ちの高揚が身近に伝わってきます。
嬉しいのはそういった人たちの声から僕自身のモチベーションが上がっていく事です。
「ありがとう。真摯に学んでくださって」
感謝したくもなります。
そういった人が多い企業は間違いなく成長していくものです。
現実に厳しい時代の今でも、業績を順調に伸ばしておられます。

またそういった企業には器の大きい経営者がおられることも多いですね。
そういった経営者のほとんどが失敗を恐れない、積極的な失敗はむしろ歓迎するくらいの度量を持ってらっしゃるものです。

現役時代、強い組織を創っていく事を絶えず考えながら仕事をしてきました。
結果として社内で全国トップの実績(契約・売上・利益)を上げられたのは、やはりそういった意識からくるものの表れだと振り返ります。

社員一人ひとりの人間力の向上は常に自分の中での課題でした。
いかに気持ちよく仕事をこなしていくか、いかに仕事の中から人間的に成長できるか、いかに仕事を楽しむようになれるか・・・。

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経営者である社長にとって従業員の皆さんはお客様であるはずです。
彼らをいかに戦力とするかしないかで会社の業績は大きく変化してきます。
その為には社員さん達とのコミュニケーションも重要です。
大企業であれば、マネージャーやリーダーたちのメンバーとの触れあいが必須です。

勉強会の中では時間の使い方、お客様目線での仕事、たえず数字を使っての業務等を強調しました。
業績の良い企業には必ず理由があります。
日々の仕事の内容から、いかに結果に結びつけていくかは毎日の意識の変化、社員さんたちの人間力をどのように高めていくかの努力が必要と言っていいでしょう。

頑張っていこうと自分を高揚させている皆さんの背中をこれからもしっかりと押していこうと考えています。
皆さんのこれからの行動、期待しています。


カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
住宅原価の上昇が続いています。
大きな原因は4つあります。
1つはウッドショック(木材の高騰)です。
1つは労務費が上がってきたことです。
1つはZEHの基準が義務化されたことです。
そしてもう1つは省エネ基準の義務化です。

住宅会社は当然ながら適正な利益が出なくなってしまいますから値上げをせざるを得ないということになります。

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そんなあおりを受けてで住宅の坪単価が随分と高くなってきています。
大手の住宅メーカーになると、坪100万円を超え、110万円から120万円などという会社もあります。
僕が積水ハウスに入社したころは坪単価20~30万円台でしたから、大変な違いです。

参考に僕の入社した時の初任給は86000円でした。
現在の大学卒の初任給は213000円程でしょうからざっと2.5倍になっていますが、住宅の坪単価は3~4倍になっていますね。
僕が住宅販売を始めたころは住宅はまだまだ「量」の時代でした。
とにかくまずは世の中に住宅を供給することが急務だったのです。
それだけ住宅が不足もしていたわけです。

現在は「質」の時代、その性能は随分と素晴らしいものになっています。
現在、日本の住宅会社が海外進出をしていますが日本の住宅の性能の高さが海外でも高く評価されています。
日本は地震国であり、災害に強い住まいを創っていく技術にたけているといってよいでしょう。

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さて、様々な要因があって住宅の販売価格も高くなってきています。
積水ハウスの場合で表現すると、1棟当たりの単価も変わってきています。
2015年度は1棟当たりの販売単価が3700万円でした。
ところが2016年度には3729万円、2017年度には3807万円、2018年度には3875万円、2019年度に3993万円となって、2020年度は4138万円とついに4000万円を超えて、今年は更にそれ以上になる予想です。

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そうなると大きく影響を受けてくるのが販売棟数です。
当然ながら価格が高くなるほどに契約までの時間が長くなってきます。
お客様も一次取得者のみならず二次取得者や、まれに三次取得者も存在します。
そういった方は経験値がありますから納得されるまで検討される方が多いですね。
結果として1年間の住宅営業の契約棟数も徐々に減少傾向となってきています。
住宅主要メーカーの平均販売棟数は2013年度5.02棟でしたが、2014年度4.88棟、2015年度4.63棟、2016年度4.73棟、2017年度4.59棟、2018年度4.49棟、2019年度が4.45棟と減少してきて2020年度には4.12棟という現実です。
つまりは3ヶ月に1棟の受注が平均数字ということになります。
随分と生産性が変わってきたものです。
こうなると営業への指導もプロセス管理をさらに重要視することが必要でしょうし、一人ひとりの見込み客に対してのプレゼンテーションの充実も大切ですだと考えられます。

現在の住宅営業さんには信じられないかもしれませんが、かつては「1棟極楽、0地獄」という言葉が存在しました。
僕が入社した頃は、とにもかくも毎月必ず契約することが当たり前化されていました。
毎月契約すればホッと胸をなでおろし、契約がないと叱咤されるのが日常でした。
とにかく1ヵ月の時間の流れが早かった記憶があります。
契約がないときなどは月末が怖かった思い出もあります。
ですから、常に当月契約するお客様と、翌月の契約予定のお客様の準備を怠らないようにしていました。
それが何よりメンタル面の安寧になったのです。
解り易いといえば解り易いのですが、年間12棟の受注が当たり前とされていた訳です。

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時代と共に、一人当たりの生産性は大きく変化しましたが、住宅営業の仕事は人が人生に購入する一番大きな買い物(住宅)のお手伝いをすることには違いありません。
この仕事の特性と言えることは「人が商品」であるという事、いかにお客様とコミュニケーションしてお客様の信頼を得て、満足度の高い住まいを実現するかということです。
販売棟数は随分と変わってきましたが、利益が減少しているわけではありません。

住宅会社の社員さん達には胸を張って「住宅会社の社員」のすばらしさを具現化してほしいと願います。
この日も自分の仕事では、住宅会社の社員として誇りをもって仕事をしましょうというお話をさせて頂きました。

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この仕事は夢を販売する仕事です。
皆さん方の熱意が、誠意が、創意が形になってくる嬉しい仕事でもあります。
誇りをもってお客様をおもてなししていきましょう!!

カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
「強いチームで成果を出せる”営業マネージャー”の役割と実務」というタイトルで10時から17時までセミナーを実施しました。
コロナ感染下で随分とオンラインでの研修もありましたが、ここへきて少しずつかつての日常をとりもどしつつあります。(嬉しいですね)

セミナーに参加される方々は意識の高い人たちが多いように感じます。
一人3万円の受講料ですから「費用対効果」を考えて学ぶ意欲をしっかり持っておられますね。
10時から17時という時間は長時間に感じますが、終わってみれば今回も「あっという間」の7時間でした。
但し「やった」という満足感と同時に疲労感も感じました。(心地よい疲れです)

セミナーでは自分の経験を生かしていろんな例え話や、成功談・失敗談もお話しします。
また心理学の法則もいろいろとご紹介します。

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例えば…ザイアンスの法則
1,人は知らない人に対して攻撃的・批判的・冷淡になる
2,人は会えば会うほどに相手に好意を持つようになっていく
3,人はその人の人間的側面を知ったとき好意を持つ

例えば・・・ ハインリッヒの法則
1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、更にその背後には自己寸前だった(ヒヤリ・ハットする危険な状態)が隠れている。

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例えば ・・・リンゲルマン効果
「社会的手抜き」とも呼ばれ、集団になると怠け、一人で作業するよりも一人当たりの効率が買って低下する現象をさします。
これは綱引きの際に一人で引く力を100%とすると、二人で引っ張る場合の力が93%、5人では70%、なんと8人になると50%となっていくという説です。
これは自分一人だけが評価されることのない環境下において、人は努力する必要性を感じなくなってしまう例えです。

例えば・・・ピグマリオン効果
期待した場合と期待しない場合の大きな違い、期待をかけた場合には人間は期待に応えようとし、結果として期待をかけた場合の方が期待しない場合に対してはるかに成長していくという説です。

また 個人的にマネージャーには出来ればこうなって欲しいという期待があります。
それはマネー―ジャーに持っていて欲しい4つの項目であります。
1つは「素敵さ」・・・メンバーに対してポジティブな評価をしてあげるという事。
2つ目には「すごさ」・・・あの人なら間違いないという知識や技術です。
3つ目には「こわさ」・・・自分の軸を持っている、規律をしっかりと守る事。
そして4つ目として「ありがたさ」メンバーの事を一生懸命に考えてくれるという事。

業績の良い組織には、強いマネージャーが存在します。
塊度の高いチームが存在します。(グループではありません)
集団ではなく、メンバー全員が共通の目的に向かってお互い協力する姿勢があります。

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そんな皆さんを応援しています。
セミナーの最後に「あなたは素晴らしい!」とうたった表彰状を一人ひとりにお渡しいたしました。
受講された皆さんの眼が輝いていたように振り返ります。
これからのますますの皆さんのご活躍を祈っています。
カテゴリー:接客/サービス
author: Masahiko Kato
サラリーマン生活を27年楽しみながら務めさせて頂きました。
営業マン時代の18年間もさることながら、マネージャーとしての9年間が今の仕事への原動力となったような気がしています。

もともとは両親ともに教職についていましたから、その影響が大きかったとは思いますが、会社経営も教育と重なった部分が多いといって言い過ぎではないように感じます。
社員さんや、協力業者様の皆さんにいかに気持ちよく仕事に取り組んでいただくかが成果に大きくつながっていくものとも確信しています。

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さて 最近よく目にする本に丹羽宇一郎さんの書があります。
「社長って何だ!」「部長ってなんだ!」「会社がなくなる!」「人間の器」「仕事と心の流儀」「つらい仕事程、人を成長させる」「人は仕事で磨かれる」「日本の未来の大問題」「人間の本性」・・・など数えきれないほどのヒット作品が溢れています。

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ご本人はというと、1939年生まれの82才、名古屋市生まれ、名古屋大学を卒業されて伊藤忠商事に入社されています。
名古屋大学時代は自治会長も務められ、伊藤忠商事では社長、会長を歴任されもしました。
その後も中国大使や日中友好協会会長も務められました。
現在もお元気で多くの書を執筆なさっておられ、その署は我々にとっての指針となっております。

直近の話ですがノーベル物理学賞を真鍋叔郎さんが受賞されました。
地球環境の研究での受賞で大変におめでたい事です。
愛媛県生まれの90才、但し現在の国籍はというとアメリカです。
数多くの科学者がその頭脳を買われて海外に散っています。

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丹羽さんの書にもありましたが、日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国中、教育にお金を掛けない国としては最低ランクです。
また同じく2020年度時点でのOECD加盟38国中日本人の平均賃金は22位であり、平均値を大きく下回ります。
1990年には12位だったものが徐々にランキングを落としています。
アメリカがこの30年間に2万2400ドルも増やしているのに対して、日本の伸びはわずか1600ドルという実情です。
いつの間にか隣国である韓国にも抜かれました。

岸田総理が誕生しまた新しい日本が航海のスタートを切りました。
丹羽宇一郎氏が警鐘を鳴らす日本の将来、企業にあっても同様なことが言えます。
人材こそが日本の最大資源であるように、企業においても人が財産です。
人の動きが企業の明日に大きく影響します。

丹羽氏は書の中で「プロ経営者」とはメディア的にはヘッドハンティングによって会社の経営者に迎えられ、複数の会社を経営者として渡り歩くような人物を指します。
同族経営やサラリーマン社長と異なり、社内の慣行やしがらみにとらわれずに、思い切った経営や組織改革を期待されている人でもある、と説きます。


まさに僕に課せられている使命をそこに感じざるを得ません。
いつの間にかやる気を喪失し、勤労へのモチベーションを落としている日本人。
変わる勇気と覚悟を持った組織だけが生き残っていく・・・。

90才のノーベル賞受賞者真鍋叔郎氏、82才の丹羽宇一郎氏の教訓、元気な声を聞きながらもう少し僕も自分の体に鞭を打ちたいと思わずにはおられません。

カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
積水ハウスの東京の支店長時代、3年間だけでしたがいろんな思い出が残っています。
支店長としての僕の仕事は支店の業績を向上させることがメインでしたが、他にも営業本部内には様々な委員会があって販売促進委員長や、戸建て住宅委員長、シャーメゾン委員長等を経験しました。
シャーメゾン委員長とはアパート委員長の事です。

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そのシャーメゾン委員長時代にアパートの間取りを思い切って変えました。
実は個人住宅と違ってアパートはアパートを建築される地主さんとご契約をします。
個人住宅は、お客様は自分が住む家(住まい)を創るわけですが、アパートは契約される大家さんであるお客様がアパートに住まれることはまずもってありません。
あくまでご入居される方々は契約されるお客様とは全く別の立場の方々です。

一般にアパートや賃貸マンションを建築されるお客様は、土地を持っておられて相続税対策や、遊休地の利用ということを目的で住宅会社がお手伝いをさせてもらって契約し建築に至るわけです。

ですからアパートの中のプランニングは殆どが住宅会社任せになっていて、そのあたりが個人住宅とは大きく相違点が見られます。
アパートの中のプランニングに関心を示されることもないといってよいと思います。

そんな中で東京営業本部のアパート委員長になって感じたことがありました。
それはアパートの入居される住人さんたちの満足度が低いのではないかという点でした。
その一番の箇所がお風呂の中にトイレが存在するという点です。
全部と言っても過言でないぐらい、当時のアパートのプランはお風呂とトイレが一緒の部屋になっていました。
またアパートの場合はプラン集でパターン化されたプランから営業が自分でこれにしようという感じで選択して契約するお客様におすすめしていました。
僕はお風呂とトイレは別にしてあげた方が入居される方々には喜ばれるだろうという判断のもと、全国のアパートの設計長にもお話して間取りを変化させるように致しました。

ところがです。
こんな変化に対しても社内で一部の社員からは抵抗が出てきました。
委員長の独断でとにかく変更してみて、その結果で判断しようという形で実行いたしました。
「例外のない規則はない」という感じで例外は認めて、原則アパートのプランはお風呂とトイレを別にすることに決定しました。
結果はご存じの取りです。
入居者の方の満足度はすこぶる上がりました。

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今現在、全国のアパートやマンションのプランは当たり前と言ってよいほどにお風呂とトイレは別になっています。
積水ハウスは業界のリーディングカンパニーであった事で、他のアパートメーカーも右に習えという形で変化したわけです。

他にもなるべくアパートであっても、戸建て感覚にしていこうと玄関の下駄箱をクローゼットの形にして収納量を増やしたり、専用庭を創ったり、キッチンも奥様に喜ばれるようシステムキッチンに変えたり…色々と入居者満足度を上げるための工夫をいたしました。

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今となってはもっとアパートのプランも進んできていると思います。
こんな風に変化させれば喜ばれるとか、当たり前を創るにも「変化」させるには、いろいろと「抵抗」が起きるものです。

・・・ですが変化していく事が企業にとっては重要です。
というか一人ひとりの人間にとっても「変化」していく事が求められます。

ダーウィンはその著「進化論」の中で謳っています。
「強いものが生き残るのではなく、賢いものが生き残るのでもなく、変化できるものこそが生き残る」と。

仕事上、立場上、企業様に対して「変化」の必要性や重要性を説きます。

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スピード感をもって「変化」していく事をお薦めします。
ダメだったら? 改善すればいいんです。やり直しもできますから・・・。