積水ハウスの東京の支店長時代、3年間だけでしたがいろんな思い出が残っています。
支店長としての僕の仕事は支店の業績を向上させることがメインでしたが、他にも営業本部内には様々な委員会があって販売促進委員長や、戸建て住宅委員長、シャーメゾン委員長等を経験しました。
シャーメゾン委員長とはアパート委員長の事です。

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そのシャーメゾン委員長時代にアパートの間取りを思い切って変えました。
実は個人住宅と違ってアパートはアパートを建築される地主さんとご契約をします。
個人住宅は、お客様は自分が住む家(住まい)を創るわけですが、アパートは契約される大家さんであるお客様がアパートに住まれることはまずもってありません。
あくまでご入居される方々は契約されるお客様とは全く別の立場の方々です。

一般にアパートや賃貸マンションを建築されるお客様は、土地を持っておられて相続税対策や、遊休地の利用ということを目的で住宅会社がお手伝いをさせてもらって契約し建築に至るわけです。

ですからアパートの中のプランニングは殆どが住宅会社任せになっていて、そのあたりが個人住宅とは大きく相違点が見られます。
アパートの中のプランニングに関心を示されることもないといってよいと思います。

そんな中で東京営業本部のアパート委員長になって感じたことがありました。
それはアパートの入居される住人さんたちの満足度が低いのではないかという点でした。
その一番の箇所がお風呂の中にトイレが存在するという点です。
全部と言っても過言でないぐらい、当時のアパートのプランはお風呂とトイレが一緒の部屋になっていました。
またアパートの場合はプラン集でパターン化されたプランから営業が自分でこれにしようという感じで選択して契約するお客様におすすめしていました。
僕はお風呂とトイレは別にしてあげた方が入居される方々には喜ばれるだろうという判断のもと、全国のアパートの設計長にもお話して間取りを変化させるように致しました。

ところがです。
こんな変化に対しても社内で一部の社員からは抵抗が出てきました。
委員長の独断でとにかく変更してみて、その結果で判断しようという形で実行いたしました。
「例外のない規則はない」という感じで例外は認めて、原則アパートのプランはお風呂とトイレを別にすることに決定しました。
結果はご存じの取りです。
入居者の方の満足度はすこぶる上がりました。

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今現在、全国のアパートやマンションのプランは当たり前と言ってよいほどにお風呂とトイレは別になっています。
積水ハウスは業界のリーディングカンパニーであった事で、他のアパートメーカーも右に習えという形で変化したわけです。

他にもなるべくアパートであっても、戸建て感覚にしていこうと玄関の下駄箱をクローゼットの形にして収納量を増やしたり、専用庭を創ったり、キッチンも奥様に喜ばれるようシステムキッチンに変えたり…色々と入居者満足度を上げるための工夫をいたしました。

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今となってはもっとアパートのプランも進んできていると思います。
こんな風に変化させれば喜ばれるとか、当たり前を創るにも「変化」させるには、いろいろと「抵抗」が起きるものです。

・・・ですが変化していく事が企業にとっては重要です。
というか一人ひとりの人間にとっても「変化」していく事が求められます。

ダーウィンはその著「進化論」の中で謳っています。
「強いものが生き残るのではなく、賢いものが生き残るのでもなく、変化できるものこそが生き残る」と。

仕事上、立場上、企業様に対して「変化」の必要性や重要性を説きます。

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スピード感をもって「変化」していく事をお薦めします。
ダメだったら? 改善すればいいんです。やり直しもできますから・・・。