この日顔を出させていただいた住宅会社の役員さんがクレームでお悩みでした。
確かに、 我々の業界はクレーム産業と言われもします。
住宅業界においてどうやらクレームは避けては通れない問題点のようです。

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よく理解できます。
というのは自分の経験からです。
年間に100億円程の売り上げをしていた支店長時代、分譲地もありましたが1年に400棟近くのお引渡をしていました。
社内的にも社員さん達の頑張りのおかげで、営業成績も抜群の成績を収めていました。
「攻め」はしっかりと出来ていたといえます。
半面、「守り」が弱かったといえるかもしれません。

販売エリアは愛知県西三河地区で対象人口が160万人、世帯構成人数が2、5人として64万世帯が販売対象でした。
ありがたいことにトヨタ自動車関連の企業にお勤めの方が多く、年収も高い方が多かったように記憶しています。
そういった方々から注文を頂いていました。
但し、仕事に関して厳しい目で見られる方も多かったように振り返ります。
そういった方々も常日頃は厳しい仕事を経験されておられたのでしょう。
私達も当たり前のことですが、施工についてもそれなりにしっかり取り組んでいたはずなのですが頻繁にクレームを頂きました。
支店長の私のデスクには「未決」と「既決」のボックスがあったのですが、「未決」の箱にほぼ毎日クレームの書類が入っていました。
「ああ、またか、今日のクレームは大きなものでありませんように・・・」
祈るような気持ちで書類に目を通したことを思い出します。

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この支店に私は6年間勤務しました。
当初の3年間このクレームの関係で体調が悪い日々が続きました。
当然ながらクレームをネガティブに捉えていたように思います。

そんな時ディズニーランドを経営するオリエンタルランドの営業部長のお話をお聞きしたことがあります。
顧客満足度が高く多くのリピーターを持つまさに夢を売りにしている素晴らしい企業ですからどんな話が聞けるのかと真剣にお聞きしました。
驚きでした。
「ディズニーに対してのクレームの量はすごいですよ。普通の企業さんの10倍はあるのではないでしょうか」とお話されました。

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お客様はディズニーランドに大きな夢を期待しておられます。
その夢を与えてくれるであろうディズニーランドがその夢を破壊するような事をしてしまったらどうなるか…当然のようにクレーム発生です。

つまりは期待値が高ければ高いほどクレームも多くなるということです。
自分の会社に起こるクレームもお客様からの期待が高いという事なんだということを何故気づかなかったのか‥‥良き学びでした。

それ以来クレームに対しての想いが自分の中で大きく変化しました。
クレームは「ありがたいもの」だという、つまりはポジティブに考えられるようになったのです。
(もちろんクレームは好きではありませんが…)
折角のお客様の期待を裏切ってはいけません。
その為にはクレームに対してどのように対応したらよいのか勉強もしました。

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その一つがクレームへのクイック・レスポンス(素早い対応)です。
もう一つが売りっぱなしにしない、お引渡した後のフォローの継続でした。
考えてみれば、真のお客様は入居される方々ですから当然と言えば当然です。
お客様満足度が108支店中92位だったご入居後1年アンケート結果が、なんと翌年には第1位になりました。
ウソのようなホントの話です。
社員さんや、ハウス会の皆さんと喜びを分かち合った事を今も鮮明に覚えています。

クレームで悩んでおられる住宅会社さんも多いのではと推測します。
どうかお客様目線で「感謝心」をもって対応していただきます様お願い申し上げます。