某出版社から日本中の素晴らしい住宅会社を集めた本が書けませんかという依頼を頂きました。
光栄なことです。
大変な作業になると考えますが、頑張ってみようかと思います。
時間をかけてじっくりと仕上げていこうと少しずつ構想を練っています。

個人的に住宅業界はお客様に対しても,働く従業員さんにとっても感動産業だと思っています。
経験者として言わせてもらえれば大変な仕事でありました。
住宅業界に入り建て当時は、今と違って夜討ち朝駆けが当たり前、「お客様から断られてからが本当の営業の仕事」とも言われていました。
土下座をしたり、8時間お客様宅で契約をお願いしまくったり、宿泊させてもらったり…色々とありましたね。
売り逃げ産業などともいわれ、今と比べてコンプライアンスも厳しくもなく、顧客満足度も低い時代でした。


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さて私の地元の企業さんですが、素晴らしい会社が存在します。
各種メディアにも結構取り上げられてもいますので皆さんよくご存じかも知れません。
岐阜・西濃に本社を置く『未来工業』さんです。
創業者の山田昭男さんは故人となられましたが、生前個人的にもお付き合いを頂いていて本社の山田相談役の部屋にも顔を出させていただきました。
ご一緒に共著で本も書かせていただきましたし、身近な存在でした。

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社内は暗く随分と節約を実行しておられるなという実感でした。
所々に「常に考える」という言葉が謳われていました。
これは会社のモットーだとお聞きしました。
相談役の山田昭男氏の部屋には、数々の劇団のポスターが所狭しと飾られていたのをくっきりと覚えています。
これは山田さんがもともと劇団員出身だったことに起因しています。
ラフな下着姿で仕事に向かっておられた姿がその気さくな人柄をも表しており印象的でした。

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この『未来工業』さん、業績も1965年の会社設立以来赤字なし、社員の平均年齢は47才、社内のクラブは60、そして年間の休日数は140日を数えます。
そんなに休んで大丈夫と言われるそうですが、豊かなプライベートの上に仕事の充実があるという考えです。
何でももっと休日を増やそうかという話もあったようですが、社員の方から「待った」がかかったという話もあります。
特許保有数が800件、業務改善の提案をすると1件につき500円が支給されます。
(毎年5000件の提案が提出されているそうです)

社内の制服はかつてはありましたが、今は無し、自由です。(何でも月に1万円の制服代が支給されるそうです」
全員が正社員、定年は70歳までの選択定年制を採用しています。
そういったことが原因でしょうか、平均勤続年数は20年を超えています。
またユニークなのが社内では報連相を強要していません。
そして残業は原則ありません。「睡眠8時間、仕事8時間、自由時間8時間」という考え方です。
5年に一度全社員を対象にした海外旅行が実施されています。(もちろん費用は皆会社負担、行き先も含めて社員が全て企画・実行しているそうです)

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『未来工業』さんに働く従業員さん達の一人ひとりが輝いておられる事を実感しました。
確かに仕事を楽しんでおられる社員さんがいらっしゃる会社とは、お付き合いするのも楽しい感じがするし、一緒にウィンウィンできるような感じさえしてきます。


一例を挙げましたが、全国の企業には素晴らしい企業さんがたくさん実在します。
そういった企業さんに勝るとも劣らない素晴らしい住宅会社を自分の眼で見つけ、取材して全国に広げていければ…という今の気持ちです。