かつてヨットで太平洋単独横断した映画を観た覚えがあります。
主演は石原裕次郎、そうあの裕ちゃんでした。
映画のタイトルは「太平洋ひとりぼっち」だと記憶しています。
「凄い」未だにその時の感動した自分を覚えてもいます。
太平洋をヨットで単独横断したのは堀江謙一さんでした。

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若干23才、小型ヨット「マーメイド号」で兵庫県西宮を出発。アメリカのサンフランシスコに入港、成功、航海日数は94日でした。

当時はヨットによる出国が認められない時代、「密出国」という形で、大阪海上保安監部は自殺行為として消息不明船手配をして救助を先決にしたものでした。
海の恐ろしさを知らぬ人命軽視だと非難され、とんでもない事だといわれました。

ところがサンフランシスコ市長はこの成功を尊敬の念をもって名誉市民として受け入れ一躍堀江さんは英雄としてあがめられるようになりました。

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そしてつい最近堀江さんは83才となって世界最高齢でのヨットでの単独横断に挑戦し見事成功させました。
あの23才の快挙から60年、83才の若者は元気にまた見事に冒険を成功裡に終えて下さいました。

「素晴らしい!!」ですね。
夢を見る事のすばらしさ、そしてまた夢を実現させることのすばらしさを堀江さんから学ばせて頂きました。

堀江さんの航海中の日記です。
4月5日 曇り時々晴
夜空には三日月と満天の星。「綺麗です。風がやみ波がない夜は、海面いっぱいに星空が映り、取り囲まれます。息をのむ景色です。」世界初の単独無寄港太平洋横断を果たした60年前は旅券を持たない密出国だった。「他人に見つからないかヒヤヒヤの連続と良い風が吹かないストレスで体調は最悪でした。」今回は支援者がいる。「感謝、感謝です」

5月14日 晴
風が弱く静かな夜に、ノンアルコールビールをもってコックピットに出た。
「満天の星と大きな月、心地よい揺れと爽やかな風。右手にはひときわ輝く北極星。海に出てきてよかったと心の底から思っています。乾杯!」

5月15日 晴
小中高の生徒と無線で交信し、「怖くなったとき、どうやって乗り越えるのですか」と質問された。「ヨットの中で小鳥のように震えています」

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あと少しでゴールですと日に焼けた顔を見せながら手を振る堀江さん、この人は今も青春、まだまだ感動を求めて人生を航海していくに違いありません。