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 怪傑ハリマオ、鉄腕アトム、ウルトラマン・・・懐かしいヒーローがいる。人によって、時代によってヒーローは異なる。だがしかし誰の心にもヒーローやヒロインは存在する。そしてかつて住宅マンはヒーローだった。顧客は住宅営業の「熱意」に感動し、その証として契約書にサインを書した。営業の一生懸命さに心うたれ(あの営業だから買った)顧客は多かったはずだ。顧客は営業に、設計にマイホームの夢を託した。営業は顧客の夢の実現に日夜足しげく通い打ち合わせに専念し、出会いから契約まで現場案内、プランやプレゼンテーション堤出、土地調査とドラマ作りに専念し、工事担当は営業からの熱いバトンを受けて地鎮祭から着工、上棟、竣工、引き渡しと見事に舞台づくりを演出した。
いろんな業種の仕事がある。いろんな営業のパターンがある。だがこんなに顧客の心に入り込んでいく業種は他に類をみない。契約時に「どうかよろしくお願いします。」と顧客が手を差し伸べてくる。引き渡し時に「よくやって頂きました。本当にありがとうございました。」顧客の口から感謝の言葉が漏れる。住宅マンは間違いなくヒーローになりうるのだ。
ところが、どうやら住宅マンがヒーローから遠ざかっているという声を聞く。時代の変化に付いていけていないのだ。買い手市場の時代である。訴訟化時代の到来でもある。以前より増して顧客の要求水準値は高くなっている。そんな今、感動経営が叫ばれる。組織全体で顧客を満足させるべく時代がやってきた。顧客満足度の向上は単に一時的な流行現象であってはならない。住宅マンたちがヒーローとなって会社ぐるみで感動経営の烽火を上げた時、顧客は(あの会社だから建てる)と決断するに違いない。