最近の顧問先での話です。
あるリーダーが悩んでいました。
「いろいろと指示しているんですがなかなかメンバーが実行してくれないんです」
よくある話ですね。

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 かつて僕はよく社外の勉強会に顔を出したものです。
ちょくちょく講演も聞かせていただきました。
プロ野球選手だった鈴木啓示さんの話が印象的で覚えています。
投手時代の力任せの投球を、当時の西本監督から直球主体の投球を改め制球、配球を重視する頭脳的なピッチングをした方がよいと指摘されたそうです。
…が、直球に自信があった鈴木さんは耳を貸そうともしなかったそうです。
それでも監督は何度も何度も同じ指示を繰り返しました。
が、鈴木さんはそれを無視し続けました。

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鈴木さんが初めて監督の指示を受け入れたのは監督が本気で自分とチームのために言ってくれていると理解した時だとお聞きしました。
鈴木さんはその年、25勝を挙げその後317勝して野球殿堂入りを果たしました。

 私たちの日常においてもマネージャーやリーダーがメンバーに手法をアドバイスしますが現実にはなかなかメンバーも自分の日常行動を変えようとしないものです。
実績が出ていなくても過去の栄光を持つベテラン社員になるとなおさらです。
もうこうなると僕も経験がありますが我慢比べの域に入っていきます。

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 リーダーやマネージャーには忍耐が必要ですね。
本当に一人一人のメンバーのためになると思うことであれば、毎日でも「こうすればよくなる」と言い続けてみることです。
「一度トライしてみよう!」とか「騙されたと思ってやってみよう」とか試みることも大切です。
場合によってはメンバー全員に同じことを実行させることも手法の一つであるように考えます。

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 「自分のために言ってくれているのだ」とメンバーが気付くまで、愚直に繰り返す根気がマネージャーやリーダーの役目といっていいように感じてなりません。
根底に愛情を持ち、日々粘り強く指導していく姿勢こそマネージャーやリーダーの務めだと考えます。
メンバーとの根気比べに負けないことですね。