最近ですが、エンゲージメント経営に関心を持っています。
エンゲージメント経営の一番のメリットは、社員と企業の信頼関係や愛着心をベースにしているため一度構築できれば崩れにくいというところです。
「社員が企業に満足しているか」という指標が従業員満足ですが、エンゲージメントは「企業と社員の双方の関係性を問い信頼関係や愛着心を可視化しよう」というものです。

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 『社員満足度』は給与や休暇、福利厚生面の満足、またコンプライアンスを守っているか、上司との関係性に満足しているかが問われます。
 『エンゲージメント』は仕事へのやりがいを感じているか、自分の会社を友人にも薦めたいか、職場で自分の意見が尊重されているかが問われます。
 『社員満足度』が待遇や環境など与えられたものを土台としているため関係性が崩れやすいのに対して『エンゲージメント』は信頼関係や愛着心を土台にしているためしっかり構築できれば崩れにくいものです。

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 以前こんな話をしたことがあります。
アメリカの調査会社ギャラップの「社員のやる気度調査」でしたが、悲しきや日本の社員のやる気度の低さが目立ちました。
何と熱意ある社員さんがたった6%だったのです。
そしてまたやる気のない社員さんが70%、企業に迷惑をかける社員が24%という状態でした。
 
 今回もエンゲージメント調査結果では日本人の仕事への熱意が持てていない社員比率の低さが目立ちました。
2017年の調査結果ですが仕事に熱意が持てていない社員比率が48%で欧州や北米、中南米、中東、アメリカと比べて飛びぬけて高い数字となっていました。
当然のことですが熱意が持てない社員が多いと企業の生産性が低下するのはもちろんのこと、企業としての価値や存在意識も危うくなります。

 今まで日本人の労働に対する価値観は画一的なものだったと記憶しています。
終身雇用が守られている、個人よりも団体行動、社訓を守るなど企業と社員との関係性は一方的なもので、やりがいや信頼というソフト面を考えてこなかったのが事実でした。

 ただこの10年来のスピードある情報化と働き方改革によって今までの考え方が通用しなくなってきました。
 エンゲージメント経営においては従来の画一的なモデル、社員や規制による規定から、やりがいのある企業、個人として評価してくれる企業へと価値観を変化させていこうというものです。

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 社員エンゲージメントの向上と相関が高い項目では第1位に「顧客に提供できる体験的価値への自信」がありました。
これは自社の商品やサービスに満足してもらえているという自信を指しており、社員の愛着心が高いとその企業で働けていることにやりがいや満足感を感じていると捉えることができます。

 エンゲージメントが高い企業では「組織体制」「個人成長「働く環境」の点で、どの項目をとっても社員が前向きにとらえているといえます。
 エンゲージメント経営を取り組んでいる企業では離職率の低下や生産性の向上、社員の幸福度アップ、強いきずなで結ばれた組織づくりが現実のものとなってきています。
 どんなことを実行しているかといえば・・・・・
・出世や肩書を廃止
・情報の共有
・感謝の気持ちをみえるかできるツールの導入
・社員一人一人が当事者意識と経営者目線を持つ
・企業の価値観を会社の冊子にまとめて共有・・・・などです。

 社員と企業の信頼関係を重視したエンゲージメント経営,前向きに考えてみたいものです。

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【追伸】 久々の東京でしたがコロナ禍で多くの発症者が出ていて、神経をすり減らしながらの移動でした。
 列車の乗車に至ってもなるべく空いた号車に乗って、感染対策に必死でした。
東京駅から澁谷駅までの山手線、あまりに人が少なくて驚きでした。
健康と経済の両輪を円滑に回してこの大変な時期を乗り越えていきたいものです。