「会社辞めたら・・・」
「この仕事向いてないんじゃない・・・」
そんなこと言われてました。
僕もかつてもっとひどい言い方で「給与泥棒」とか言われていた社員を知っています。
この社員さん=Sさんといいます。

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 僕が顧問となっている住宅会社の営業社員、キャリア採用で入社してきたのですが、入社して10か月間契約0、さすがに社長もしびれが切れ始めました。
 そんな彼に個人的に向き合うことになりました。

 積水ハウスの支店長時代、毎年入社してくる新入社員の営業さんたちと毎日交換日記をしていたことがあります。
年間160億円の売り上げをしている支店の支店長が (何を言いたいかお分かりですね、随分と忙しい人間であるということを言いたいのです・・・すみません) 毎日新人さんと交換日記を交わす・・・でもこれは結果としてとても勉強になりました。
 従順な彼らから学ぶ点が数多くありました。

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 不思議なものです。
経験値のない彼らであっても、こっちが懸命になっていろいろとコメントすると結果が出てきました。
量をこなすことで行動面での質が生まれてくるようになりました。
まさに上司の愛情はメンバーを育てるということを実践から知ることができました。
そしてまた、相乗効果で1年目の新人さんたちが実績を出すと、2年目、3年目の社員さんたちにも好影響を与えました。
もっと言えばそういった若手社員さんたちの活躍が支店の営業に(全社員といっていいですね)いい意味での刺激を与え業績が右肩上がりで向上していきました。

 話を戻します。
今回のSさんと毎日メールを使ってSさんの行動について検証することを当たり前化したのです。
いわゆるPDCAをしっかりと回すことです。
出張が多い僕ですから、毎日のコメントはできませんが、時々のコメント返しや、電話でのアドバイスを始めました。
 とにかく愚直に継続してやっていこうねという約束をしました。
もうやり始めて1年半以上たちました。
Sさんも立派です、毎日休むことなく必ずメールで1日2回、計画と結果を送ってきます。

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 おかげさまでというか、まだまだトップ営業には遠いのですが、徐々に契約が上がってくるようになりました。
今日は新しい契約が決まり僕もお祝いの電話を入れました。
長い暗いトンネルから抜け出て、少しの光が差し込む形の営業になってきたのではと思います。

 先日、関東の顧問会社にも新人さんが2名入社してきました。
Sさんと同じ形で、メールでのPDCAを早速お約束しました。
毎日は物理的に無理なのですが、1週間に1度は彼らにいいアドバイスができればいいなと考えています。

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 営業に一番効く薬は「契約」という薬です。
Sさんもずっと長く契約が0だった時と比べて、笑顔も出てくるようになりました。
「笑顔」は大切ですね、お客様は笑顔の素敵な営業を好むものです。
また自信というものも感じるようになってきました。
「自信」は、お客様をけん引していくエンジンのようなものです。

 そうは言ってもSさんにはもう一つ高いレベルに営業の階段を上っていただきたいという期待があります。
 結果が出てくるようになってきたSさんの成長に拍手を送りたく思います。