この1週間は関東から中部、そして九州の住宅会社に顔を出してきました。
九州の顧問会社にあっては何と関与してもう9年目に入ろうとしています。
毎月顔を出していますが、業績は順調に推移して売り上げも30億から70億を超え、さらなる成長を遂げようという元気印の住宅会社です。
昨年は新社屋も竣工いたしました。
経営感覚の優れた社長とやる気のある社員さんたちが頑張っておられます。

 さて、昨年度の住宅着工戸数は90万戸ということです。
前の年から5万戸減少しましたね。
そして今年の予想が85万戸という数字が出ています。
もっと先、2030年度には60万戸という予想まで・・・。
いずれにしても住宅業界が縮小産業である事は事実です。
人口の減少、空き家の数はどんどん増えて今や850万戸にまで膨らんできてもいます。

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 今年になって急に客足が鈍ってきたとか、受注が落ち込んできたとか、そんな話も耳に入ってきたりもします。
 そうは言っても順調な住宅会社は今年になっても順調に業績を進捗させています。

 企業にとって重要なことはお客様に近づいていくことですね。
忘れてはいけないことです。
不思議なもので順調に販売が行われ、売り上げが上昇すると企業のトップは鼻高々、俗にいう天狗になってしまうものです。
 需要をしっかりと見極めそれらに対して供給をしていくということを忘れてはいけませんね。
マーケティングは大切です。
住宅会社は地域密着産業、自分たちのエリアを熟知し、またエリア内の他社動向もチェックし、販売エリア内のお客様を理解して戦略を練ることです。

 かつて積水ハウスのサラリーマン時代のことです。
当時の積水ハウスは全国に3つの委員会がありました。
一つは販売促進委員会、一つはCS委員会、そしてもう一つがマーケットシェア委員会でした。
愛知県・岡崎支店長時代の僕は、支店業務のほかに中部のマーケットシェア委員長を任されていました。
そして全国のマーケットシェア委員会副委員長も兼ねていました。
この任務は重要でしたが随分と勉強になりました。
住宅業界にとってこういった意識を強くしていくことの大切さを教えていただくいい機会を頂いたといって過言でありませんでした。
そして今現実を踏まえ住宅購入者に近づいていくことの重要性を感じています。

 多くの住宅メーカーが住宅の質を高め住宅性能が高品質になっていったことはそれなりに意義があると考えます。
ところが反面、いつの間にか住宅の価格が消費者にとって随分と遠いものとなってきた感じも事実です。
住宅メーカーのシェアも落ちてきました。
坪単価100万円近い住宅は一般の消費者にとってはもはや高根の花です。

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 そんな中で最近の動きとして・・・
例えば積水ハウスノイエ、2月から始動し始めましたが2000万円台、坪単価も55万円ほどで購入しやすい価格となっています。
 また大和ハウス工業のライフジェニックはWEB限定商品、ライフスタイル診断でデザインを提案して、なんと対面商談なしで早期に契約するという商品が販売されました。
 ヤマダホームズもWEB商品に力を入れています。
完全企画型のプランで勝負です。

 これらの商品はビルダーの価格帯にあえて合わせた形、ボリュームゾーンを狙った「ねらい目」商品といってよいでしょう。

 今年の冬は暖冬でした。
寒くなくてよかったというよりも来るべく夏が恐怖の暑さを伴うものでないことを祈っています。

 住宅業界は環境問題に対して本当に真摯に取り組まなければならないことも事実です。
昨年も猛威を振るった自然災害は今後ますます増大の傾向にあります。
 一般ユーザーを忘れてないけませんが、住宅会社の使命も考えていくことが課題でもあります。
 人の、家族の命を守る住宅会社の使命を追求しながら、現実的な販売も推進していくこと…住宅会社の今後は様々な企業努力も必要になるといえますが、期待を込めて業界の推移を見つめていきたく思います。