初めて営業を経験する人に対して研修実施の頻度が高い。基本から入って営業を学んでいく。発声練習、早口言葉、挨拶訓練、敬語の使い方、名刺の渡し方、電話のかけ方、営業マナー、飛び込み訪問・・・多種多様である。ロールプレイングもその中に含まれる。実はロールプレイングが上手い人が売れるかというと、そうではない。トップ営業が意外に下手だったりもする。ロールプレイング大会で優勝した人が平均以下の営業成績なんてこともある。
 今回、ビデオで撮影をしながらロールプレイングを実施した。ねらいは自分自身で自分を検証してもらう事である。三脚を立てて固定しメンバーを映す。人数の関係もあるが一人3分間という短時間で実施。人は見た目の3秒で瞬間的評価をし、30秒間の挨拶で声のトーンやスピードから人間性が、3分間の会話でほとんどの評価がされてその人が決まってしまう。いったん身についた第一印象は300時間も続くともいわれる。終了後、ビデオを再生して全員の意見を聞いて振り返る。まさに「十人十色」。一人ひとりの特徴、癖、テンポ、リズム等、個性がはっきりと出てくる。これはメンバーにもいい気付きになる。すぐさま自己検証できるのだから効果的である。意外に表情が硬かったり、笑顔が無かったり、身振り手振りが少なかったり、また相手の顔を見てなかったり、そしてほとんどがしゃべり過ぎである。顧客に話をさせないでいい商談が出来る訳がない。そして相手に合わせるペーシングのマスター。メンバーがお客様役を経験してみるのもいい。顧客の立場になると相乗効果が得られる。こうして「自分を知る事」は営業への意識転換を図る上で重要である。