2023年 09月の記事

September 2023
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
ご存じの様に僕は積水ハウス出身です。
新入社員として入社した時、両親が共に教員で、また兄弟も教育関連という家庭でしたので民間企業にある種の期待もありました。
どろどろとした環境の中で自分自身がどんな形で成長していけるのだろうという思いがありました。
唯、これほどまでなのかという感じでした。
何かというと勤務のハードさでした。
入社したその日から午前2時までの勤務で、当然ながら帰りの電車は無く先輩の車に乗せて頂いて寮までたどり着きました。
また寮に帰れば帰ったで新人は飲み会に参加で眠りにつくのは3時というありさま、そして7時には起床して電車で出勤という状況でした。

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導入研修という形で全国的な新人研修は兵庫県の丹波篠山であったものの、配属先では先輩からの具体的な仕事の指導は無く、朝9時半になると「何やってるんだ、早く出ていきなさい」「夜10時までは帰ってこなくてよい」と直属の店長からの指示でした。
「あのーどこへ行けばいいでしょうか・・・?」と尋ねると「住まいに困っている人はいっぱいいる、探してこい」でした。
「何を話せばいいのでしょうか・・・?」という質問には「そんなことはお客が教えてくれる」という答えが返ってきました。
車は許可されず、とにかく賃貸住宅を一軒一軒飛び込み訪問を繰り返しました。
店長の言葉にも納得、営業していれば少しずつではありますが、学習するものです。
徐々にですが住宅の知識もついてきて、また接客の手法も身についていったように振り返ります。

当時の積水ハウスは営業力の強さが目立ちました。
足で稼ぐ、お客さんとの人間関係を作る事に終始したように思います。

当時、積水ハウスはナンバーワンの売り上げを誇っていました。
地元の木造と比較されることが多かったのですが、値段は高い、自由性はない、見た目は悪い…のを何とか工夫して契約に結びつけていきました。
建物本体というよりも営業マンの人間力が強かったと思われます。
地震に強い、構造的に強いのは積水ハウスの良さだったのではと思います。

そんな我々の営業努力が実って全国47都道府県でのシェアがぐんとアップしていきました。
記憶によると47都道府県のうち33のエリアで住宅シェアが第1位となりました。
これはもうすごい事でした。(売りやすくもなりました)
また住宅業界で初めて売上げ1兆円企業ともなりました。
社員みんなが意識して1兆円企業を目指した思い出が蘇ります。

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さて最近の現実です。
コンプライアンスの時代です。
当時当たり前だったパワハラは今ではありません。
残業も全くと言ってよいほどなくなりました。
積水ハウスはイクメン企業として有名になりました。
そして、なんとあれだけ販売していた全国の住宅のシェアに関しては積水ハウスは1位のエリアは無くなりました。(2位の県は5か所あります)
現在は一条工務店が11のエリアでシェア1位を取っています。
33のエリアでのシェア1位は地元のビルダーさんです。
そしてまた飯田グループが6つのエリアでトップシェアを取っています。

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売り上げも変わってきました。
積水ハウスより5年先輩の会社になりますが大和ハウス工業が2022年では4兆9千億円の売り上げ、積水ハウスは2兆9千億円ですから大きく差を広げています。
大手の住宅会社は販売棟数が徐々に減少傾向にあって、但し利益はしっかりと堅実にあげてきているといった状態です。
パナソニックホームズとトヨタホーム、ミサワホームが一つになりプライムライフテクノロジーズとなったことは驚きでした。
パナソニックホームズは、かつてはナショナル住宅と呼んでいましたが、のちパナホームとなって現在はパナソニックホームズとなっています。

戸建て住宅の販売棟数に至っては・・・(2022年度)
1位 一条工務店 16486戸
2位 タマホーム 10306戸
3位 積水化学工業 9700戸
4位 積水ハウス 8841戸
5位 住友林業 8680戸
6位 大和ハウス工業 5762戸
7位 旭化成ホームズ 5343戸
8位 アイ工務店 4597戸
9位 ミサワホーム 4586戸
10位 ヒノキヤグループ 4048戸…と様変わりしてきています。


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一条工務店が強いですね。
またここへきてアイ工務店が売り上げを二桁以上の増収をしてきており目立ちます。
ケイアイスター不動産グループ住友林業、オープンハウスも順調に進捗してきています。
一条工務店、積水ハウス、ポラスグループ、大和ハウス工業、東栄住宅、AQグループ、ヒノキヤグループも大きく売り上げを伸ばしています。

売り上げの形態も変わってきました。
戸建て住宅のみならず、賃貸請負、非住宅・特建、土地・不動産、リフォーム、海外事業など多岐にわたってきています。

時代の変化と共に、当然住宅会社の販売手法も変化します。
住宅に対しての考え方も変わってきています。
価格も随分と高額になってきました。
逆に安全性も高くなってきています。
環境に対しての取組も大きくなってきています。

これからも真摯に住宅業界を直視していきたく思っております。
カテゴリー:接客/サービス
author: Masahiko Kato
CS=顧客満足度について触れてみたいと思います。
現在顔を出させて頂いている住宅会社にもいつも意識していることです。
かつてサラリーマン時代、随分と顧客満足について熱を入れた時代がありました。
お客様のおっしゃることは絶対だというばかりの時代があったように振り返ります。
時にはお客様の理不尽さに戸惑うこともありました。
これはおかしいのでは…と思いながらも会社の方針には従順に対応していました。
顧客満足が大きくクローズアップされていた関係上、何となく顧客満足度を上げることは企業にとって目的と考えていた時もありました。
人間は学習するものです。
会社も過度な顧客満足を要求する事を辞めました。
お客様からの無理な注文には「ノー」と答える事もありと考えるようになりました。
あくまでも顧客満足は企業にとって手段なのだと理解するようになっていきました。
またそれまで口にされなかった社員の満足度(ES)も重要視されるようになっていきました。

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2022年度の顧客満足度の高い企業を挙げてみます。
第1位、劇団四季
第2位、ヨドバシカメラ
第3位、宝塚歌劇
第4位、レクサス
第5位、COOP共済、帝国ホテル

第7位、ドーミーイン
第8位、リッチモンドホテル
第9位、東京ディズニーリゾート
第10位、ホテル日航

…となっています。
うん、なるほどと感じさせる企業がずらりと顔を出していますね。

では我々住宅業界はどうでしょう。
2023年度のオリコンのデータが出ています。

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第1位、スウェーデンハウス(9年連続で首位です)
第2位、積水ハウス
第3位、旭化成ヘーベルハウス
第4位、住友林業
第5位、一条工務店
第6位、三井ホーム
第7位、パナソニックホームズ
第8位、積水化学 大和ハウス工業
第10位、ミサワホーム…となっています。


個人的に思うのは社員満足度の高い企業は顧客満足度も高いのではと感じています。
逆に顧客満足が高くとも社員満足度が高いとは限らないような気がしています。

社員満足度のデータが出ていました。(出典は「働き甲斐研究所」です)
第1位、株式会社PLAN・DO・SEE
第2位、株式会社リクルートゼクシーなび
第3位、株式会社オリエンタルランド
第4位、アイ・ケイ・ケイ株式会社
第5位、スターバックスコーヒー株式会社
第6位、米国三菱株式会社
第7位、アニヴェルセル株式会社
第8位、株式会社ドコモCS
第9位、株式会社丸井
第10位、株式会社ベルパーク


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こういった企業の共通点は何でしょう。
それは企業の中に褒め合う文化や、表彰制度が根付いていることです。
つまりはそういった工夫が社員さん達のやる気を喚起しているわけです。

社員満足度1位のPLAN・DO・SEEには「社員のMVP制度」が存在します。
この企業はホテルやレストラン、ウェディングを手掛ける企業ですから、お客様も大切にしているに違いありません。
社員さん達がチャレンジできる職場環境もしっかりしている様子です。
社員の成果はもちろんの事、そのプロセスの頑張りも評価してくれると感じています。
上司が部下の成長を本気で考えてくれている、マネージャーの主観のみならず、正当に個を評価しようとする体質があります。
モチベ―ションをキープできる職場となっているようです。
意識の高い社員さんが多く、周りとの競争や努力をしたくなる環境があります。
社員たちで賞賛し合う機会が多くそれがモチベーションに繋がってもいるようです。

・「満足を情報化する」
・「提供する価値」の向上
・「生活満足度」の向上


仕事をもっと楽しむ工夫を、お客様の歓びを自分のモチベーションにつなげていく事、
息子や娘を入れたい会社を日本全国に増やしていきたいものです。



カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
2023年10月11日「中部産業連盟」にて公開セミナーを実施いたします。
対象は営業のマネージャーの方々になります。
10時から17時までの長時間ですが、毎回セミナー終了後の受講者から「あっという間でした」という声を頂きます。
手前味噌ですが受講者の方からのセミナー終了後のアンケートでは毎回殆ど「大変満足」という結果を頂き、講師冥利に尽きます。
期待していただいて結構です。

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ちなみにセミナータイトルは
ー売り上げを伸ばすための管理者の仕事はこれだー
『ここが違う!営業マネージャー成功の極意』
―メンバーのやる気を喚起させ結果を残す販売手法を伝授ー
です。

カリキュラムとしては・・・
1、チームの活性化を計れ!
2、時間は資源、人は財源
3、マネージャー・リーダーの条件
4、地域に根差し、市場を把握しよう!
5、業績アップ、強いチームのつくり方
となります。

参加費は中部産業連盟会員の方が一名33000円(税込み)会員以外の参加費が一名38500円です。

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一般社団法人中部産業連盟は、中部エリアの企業が中心となって1948年に設立され、2018年に創立70周年を迎えて現在は約800社の企業・団体が会員となって参加されています。
事業目的である「企業の経営に関する調査、研究、診断、指導及びその普及を行う」事を創造的に行う為、「新しいマネジメント専門集団」として資源を結集、国際化、専門家、ネットワーク化を図り、研究開発事業、コンサルティング事業、人材育成事業等活動領域を拡大して日本企業が抱える課題の解決を通じて産業界及び企業に貢献しています。

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ご縁を頂いて15年以上、定期的に講師としてセミナーを実施させていただいております。
受講される方は営業マネージャーの方が殆どですが、業種は様々です。
毎回名刺交換させてもらいますが、いろんな方々にお会いでき僕としても大変勉強になっています。
時代の変化がありますので、内容については毎回変化をさせています。
是非ご興味を持たれましたら、ご参加し受講いただければ幸いです。


話は変わりますが、僕の出身母体である積水ハウスが、10月9日・10日の2日間、『住まいの参観日』を全国で展開していました。
発端が僕たち中部の営業仲間7名で企画・立案したこの行事ももう35年以上継続しています。(嬉しい事です)
当初は愛知・岐阜・三重の東海地域限定で3年間開催していたイベントですが、我々の事業所(愛知・岐阜・三重)の業績が向上したことで3年後から全国での開催となりました。
多くの方が『住まいの参観日』を知っててくださってありがたい事です。

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人生は想い出作り、たくさんの良き思い出を作っていく事こそ人生を生きるに値する事だと考えます。
生きる事は楽しい事、これからも悔いなき毎日を送りたいものです。


カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
コロナの影響も大きいとは思いますが、ここのところ各企業の営業力が随分と落ちてきていると感じています。(残念です)
SNSの影響も大きいと感じていますが、何度も何度もお客様とお会いして商談を少しづつ進めていくというパターンは(もちろん定番ではあるのですが)影が薄くなってきている様に感じます。
売れないと嘆く経営者が数多くおられます。
M&Aで会社を売却される企業も多々ありますね。

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私達が従事する住宅業界はかつては人間力で勝負する(契約を取得する)業界だったような気がしてなりません。
僕も新人の頃は会社から車を使っての活動も許可が出てなくてお客様からの信頼を得る為に、歩いて稼ぐことに専念してもいました。
人は知らない会社から、知らない営業から通常は家を購入したりしません。
知っている会社だから安心できる、知っている営業だから心配ないという気持ちがあって事を進めていこうと考えるものです。
ですから何度も何度もお客様とお会いして人間関係作りをして「信頼」関係が出来上がってきてスムースな契約が成立したのです。
僕も苦労もしましたから契約した直後などは大喜びでした。
人は相対的にできていますね。
「苦労した分だけは歓喜できる」ようにできています。

苦労を重ねて成約に至る時に住宅営業の歓びを感じました。
素晴らしい仕事だと感じる様になりました。
住まいが竣工してお客様の幸せなお顔を拝見して住宅営業の仕事に就いた感動を味わったものです。
そういった感動を味わいたいがために大変さを克服しようとしていました。

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人間が幸せになろうとするときの第一歩は人に関心を持つ事ではと思っています。
よく言われるマザーテレサさんの「愛情の反対は無関心」ですね。
お客様に関心を持つとお客様も喜んでくださるものです。

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恋愛をしない、結婚をしない、そんな若者が増えています。
面倒くさいのでしょうか。
おそらくは恋愛のすばらしさ、結婚の幸福度を味わっていないからだと思われます。
企業にあっても社員さんの定着率が低いと言われます。
面白くない、仕事が大変・・・ですから辞めたくなってしまうわけです。
企業経営者に求められることはというと、やる気のある社員を創る事でしょうか。
その為には、楽しい会社を創る、仕事を早く覚えてもらう、契約の歓びを味わってもらう事です。
その為には社員さんに仕事の喜びを味わってもらうように仕向ける事ですね。

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手前味噌ですが僕は新入社員を上手く育ててきたと感じています。
だからこそ『住宅業界の新入社員が1年でトップ営業になる方法』という著書も書くことが出来たように振り返ります。
今、多くの当時の新人さん達が数多く大活躍中です。
もっと言えば「自己実現」していると感じます。
新人の時、多少は厳しかったかもしれませんが仕事の歓びを知ってもらえるようにアドバイスしたことや、一緒になって苦労したこと、多くのチャレンジをしたことが大きく影響しているように思えてなりません。

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住宅業界はとても遣り甲斐のある仕事です。
どうか、この住宅業界のすばらしさを社員さん達に教えて欲しいと希望します。