昨日名古屋国際マラソンでの一番の興味はシドニーオリンピックマラソン金メダリスト高橋尚子のラストランだった。

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 3時間を切りたいと言っていたタイムは2時間52分の29位で完走、「ありがとう」と呟きながらの笑顔の走りに沿道の観衆から盛んな歓声と拍手が上がっていた。

 「感動の42,195キロでした」と本人も評価、残り10キロとなって少なくなっていく距離に寂しさを感じたそうだ。

 シドニーで金メダルを争ったディア・シモン選手もゴールした高橋を抱きしめてこれまでの労をねぎらった。

 高橋尚子の海外での評価も高く、中国では「人類極限の成績」とも、偉大なマラソン選手で1時代を築いたこと、故障に泣いたこと、走りに対する愛情を最大限の表現で賛美している。

 この日高橋は最後まで観客の前で涙を見せなかったが、レース後の会見終了後にはこみ上げるものが瞳を濡らした。

 我々もまた人生というマラソンランナーを演じている。
1000回の「ありがとう」に負けない感謝の気持でこの1度きりの人生を走り切りたいものである。