もともと住宅業界は地域と共に生きてきた産業です。
あの建築会社は親戚にあたるから…とか、あの工務店はずっとこの地域で家づくりをしているから…といったように。
そこでの重要なポイントは「信頼」だったように思います。
人が人生で一番大きな買い物をするためには何と言っても「信頼感」が重要ですね。

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僕が積水ハウスを辞めて住宅会社顧問の仕事を始めて早いもので19年になります。
沖縄県を除く全国46都道府県の住宅会社とのご縁を頂きました。
有難いことです。
そういった中で魅力的だなと感じた住宅会社もいくつかあります。
感動させてもらった住宅会社さんです。
そういった工務店さんはこれからも是非地域の中で生き残って頂きたいと願わずにはいられません。

例えば四国の住宅会社、今では順調に売り上げを伸ばし従業員の方も増え30名近い会社になってはいますが、顔を出させて頂いたときは社員全員で9名の会社でした。
爽やかな社長が率先して社員さんや業者さんをけん引しておられました。
驚いたのは専門の営業担当者が誰もいない住宅会社でした。
逆に言えば設計担当者が、現場監督が、内務の担当者が…とにかくみんなが営業業務も行うという全員営業の住宅会社でした。

その会社には展示場もなくて驚きでした。
ただ社長の父親にあたる創業者から受け継がれてきた地域との結びつきが何よりの財産であり地域の人からの「信頼感」が寝ずいていた住宅会社という印象でした。
会社でお世話をした住宅を現場見学会で使わせていただき定期的に見学会を開催されて新規のお客様を掴んでおられました。
感心したのは社員全員がお客様を見送る事、挨拶の徹底、気持ちの良い会社というイメージが定着していたことです。
又会社の空いているスペースを活用して地域のカルチャースクールを実践しておられました。

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記憶に残ってるものでは・・・・・
園芸教室
気功教室、
籐園芸工房
水彩画教室
手打ちうどん体験
ベビーマッサージ教室
簡単お菓子作り
粘土工芸
インテリアフラワー
認知症を防ぐ教室・・・・・
色々なカルチャースクール
が定期的に行われていました。
この会社に顔を出される方々が多いことも理解できますね。
素晴らしい事です。

またこの会社の素晴らしいところは地域に密着するのみでなく、地域に貢献するというところにもありました。
地域の小学生を対象としてバスケットボール大会を毎年開催しておられました。
地域の皆さんからオファーを頂くのがよく解ります。
あの住宅会社だったら安心・安全だという「信頼」が溢れていました。

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また年に1回の大きなイベントで会社周辺を使って夏祭りが開かれていました。
これはもう社員さん達のみならず、会社に出入りする取引業者の皆さんも一緒になって大盛り上がりで実行されるビッグイベントでした。

僕の目に映ったこの住宅会社の姿こそ、本来の住宅会社=地域に愛される工務店さんの本来あるべき姿だと感じました。
時代と共に住宅も変化をしていきますが、変わらなくてはならないものと、変わってはいけないものがあるように思われます。
この住宅会社の社長の感覚はとても優れておられて見えたように思います。

全国各地の多くの住宅会社に出会い、住宅業界のすばらしさをしっかりと経営に取り入れておられる住宅会社にも数多く出会いました。
これからも住宅業界は地域と共に歩んでいくものと期待してやみません。