東京です。
「住宅産業研究会」という会での講演の講師に呼ばれました。
受講される方々も住宅業界に携わっておられる大きな会社の社長がほとんどです。

 前日の今日は神田・神保町の「山の上ホテル」に宿泊しました。
このホテル4月に火災事故がありましたが、かつて多くの文人達が定宿としたホテルとして名前が知られています。

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 川端康成、三島由紀夫、池波正太郎、伊集院静らが好んで宿泊しました。
壇一雄は女優入江杏子と愛人関係になりこの「山の上ホテル」で同棲生活をし、それを作品「火宅の人」に表わしました。

 アットホームなホテルサービスは良く知られています。
1954年開業ですから今年で創業60年ぐらいでしょうか。
建物はアールデコ調のクラシカルな内外装を残していて素敵です。

 すぐ隣は明治大学、リバティタワーがそびえたっています。
お茶ノ水駅から歩いても数分の距離、周りは学生街ですが、楽器の街でもあります。
明治大学博物館を見学、ここには明治大学OBの作曲家古賀正男先生や、登山家植村直己氏の紹介、作詞家の阿久悠さんの記念館などもあります。

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 僕にとっても懐かしい場所です。
アルバイトをしていた牛丼の「吉野家」もすぐ近く、当時でも牛丼は並みドンブリで200円でした。今も280円ですからほとんど値段は変わっていませんね。
 学生時代と全く「吉野家」の店内の作りが一緒なのには驚きを隠しきれませんでしたが・・・。

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 ニコライ堂が今も存在感のある佇まいをみせていました。
1861年ニコライが来日し、このニコライ堂を1884年から1891年にかけて建立しました。
関東大震災にて鐘楼が倒壊、ドームも崩壊しましたがその後建築士岡田信一郎の手によって聖堂が復活しています。1962年国の重要文化財に指定されています。

 そんな中でお茶ノ水も変化しています。
随分と高層ビルが増えてきていますね。
「お茶の水ソラシティ」でお世話になっている住宅業界の社長に夕食をご馳走になりましたが、学生時代とはうって変わってきたなという印象を持ちました。

 多くの作家、文豪が散策したであろう界隈を僕も自分の足でたどりました。

 時代とともに変わっていく街並み、変わらないものと、変わっていくものをしっかりと今自分の眼で見つめています。