仕事とはいえ旅人のようにこの1年いろんなところへ出かけさせて頂きました。北は盛岡から南は鹿児島まで。各地のタクシーに乗るだけで運転手さんの態度や話し方でそのエリアの特性を感じたりもします。「ああ、ここは人情味のある地域だなあ」いつのまにか我々がどこかへ片付けてしまった人の心の温かみに触れることもあります。とはいうものの自分から声を掛けてくるタクシーの運転手さんって意外に少ないですね。「お客さんどこまでですか?」の一声は当たり前だと思うのですが・・・。ある都市でタクシーに乗ってからお金を払って降りる時まで運転手さんの口から一言もなかったことがありました。タクシー業界の厳しさもあるのでしょうが・・・。どんな理由があったのか解りませんが乗ったこちらまで淋しい気持ちになりました。また、大都市で電車に乗ったときなど一つ一つの駅に着くたび人が言葉もかけずに強引に電車から降りていき、また乗ってもきます。「すみません、降ります。」の一声があるのとないのでは随分と違うのではと思うことがよくあります。日本人はいつからこんなに寡黙になってしまったのでしょうか。まさに『個』の時代になってきた印象があります。よく講演の席で聴いてくださっている方に向かってこんな質問をします。「皆さんの会社は『集合体』ですか、それとも『組織』ですか」と。本来、会社は『組織』の筈・・・。ところが手を上げる人はよく解らないという人が半分以上いたりします。本音だと思います。本当によくわかっていないのです。『組織』とはそこに集う仲間が同じ目的に向かってお互いに協力し合い、気持ちを一つにして進んでいこうとする集団と判断しています。・・・ということは皆さんの会社は組織になってはいないのか・・・と心配になったりします。組織を活性化させる為のとっておきの方法、それはコミュニケーションです。コミュニケーションが高い組織ほど塊の度合いが強くて業績がいいものです。家の契約も顧客とのコミュニケーションが出来てのこと。コミュニケーションが高くなればなるほどに契約に近づくということです。コミュニケーションの度合いを上げようとするならばまずはスポーツでも飲み会でもいいのですがそんな些細な事から始めたらと思います。業績の出ていない会社ほどこういう事が縁遠くなっていたりします。またセクション間での壁が高い会社も留意したいものです。「営業」と「現場」、あるいは「設計」、「総務」・・・セクショナリズムに陥ることなく各部門間の「心のキャッチボール」が出来ている企業は強い会社といえます。そして風通しが良いか否かは大きく会社の業績を左右します。日頃から朝の挨拶、社員一人ひとりのお互いの声掛け運動は重要視したいものです。業績の良い会社はそこに働く社員一人ひとりに活気があるものです。顧客満足度を高めようとするならば顧客とのコミュニケーションを強化することだろうと思います。また従業員満足と顧客満足とはきっても切れない関係にあると思います。従業員満足の高い会社は業績が良いと言って過言でありません。管理者の仕事で心掛けたい事、それはコミュニケーションの良い環境づくりです。いつも新鮮な風が流れている職場環境を心がけたいものです。