もしも貴方が顧客の立場であった場合、「いらっしゃいませ」と、笑顔いっぱいの元気な声で出向かいを受けたなら、しかも一人だけの社員だけでなくみんなの社員から同じように声をかけられたら、営業社員だけでなく全社員から歓迎されたら・・・。そしてそこにいる彼らが幸せそうな顔をしていたら、おそらくそれだけでその会社に決めようと思うのではないか。
  仕事上、客観的にいろいろな会社を見てきて思う事、それは社員が元気な会社、社員が明るい会社は業績がいいという事である。リッツ・カールトンホテルの支配人の話を引用させてもらうと「顧客満足が大切な事は言うまでもないが、私にとって一番大切なのは従業員の満足。従業員が幸せでなければお客様は幸せになれない」と言う。
 北海道に旅した時、立ち寄った、木々に囲まれツタの絡まった和洋菓子店「六花亭」。感じのよい店内がお客様で溢れていたのを思い出す。社員の態度や対応も商品のうちであるが販売員の気持ちのよい対応が印象的でもあった。この「六花亭」の社長は従業員を『家族』と言い、会社の事を『我が家』と呼んでいる。社長は千数百名もいる社員全員の名前を覚えていて気軽に声をかける。そこには社員が幸せでなければ顧客満足などありえないという姿勢がある。
  100名近い新人研修は5日間に及ぶが、研修中の課題が面白い。一人ひとりが仲間である同期の新人の全員の名前を研修終了時までに覚える事というものである。社員がコミュニケーションを良くして気持ちのいい社内環境を作っていく事で、従業員満足度を高くし、はては顧客満足も得ていこうという試みである。好業績の秘密が隠されているような気がしてならない。