CS(顧客満足)運動を企業として取り組むのは「目的」ですか、それとも「手段」ですかと講演等で質問する。すると決まって意見が分かれる。企業は営利を目的としており、慈善事業をしている訳ではなく答えは「手段」の筈だ。
  最近いろんな業種のCSアンケートを目にする事が多いが不思議と内容を見るだけでその会社の企業姿勢が伝わってくるものだ。依然として「アンケートに答えてください」というパターンで始まるものが多いがこの種のアンケートは一般的に顧客の立場を汲んでいないものが多いように思う。逆に「アドバイスをいただけませんか」という姿勢のものは内容も含め好感が持てるものが多い。
  マークセンス方式で評価を塗りつぶすものは企業のデータには取りやすいのだろうが顧客の眼にはどう映るだろう。「輝いている社員はいましたか」というような職場で働く社員の対応を問うものはES(従業員満足)に絡んでいて面白い。会社によってはOB顧客に対して100%のアンケート回収を義務化しているところもあるが企業の自己満足ではと首をひねってしまう。無理強いはNGであり60%取れれば十分ではないか。そんな中で真剣に顧客の声を聞き、すぐさま日常の仕事に生かそうとしているアンケートに出会うとほっとする。
  大手スーパーI社のアンケートは日付があり表部分に書かれた顧客の声が会社に届くと、裏面に上長のチェックがあって担当者へそして顧客にリターンされる。アンケートを使ってスピーディに顧客へ会社としての答えを出す姿勢はさすがだ。顧客第一主義の時代。顧客満足アンケートは今後もますます重要視されるべきではないか。顧客と会社がWIN、WINの関係になる為にも質の高いアンケートの実施を期待してやまない。