2023年 10月の記事

October 2023
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
仕事柄有難いことに色々な人とお会いする機会を得ます。
僕の場合は特に住宅会社のトップとお会いすることが多かったと振り返ります。
そういった中で感じる事があったのが人としての器の問題でした。

住宅会社も住宅メーカーに代表される大きな住宅会社もあり、数人で経営してらっしゃる個人事業主に近い社長もおられます。
そういった中で「この社長は違うなぁ、器が大きい」と感じた社長もおられました。

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最近読んだ書の中でかつて伊藤忠商事の社長を経験され、その後中国特命大使や日中友好協会の会長も歴任された丹羽宇一郎氏の「人間の器」があります。
その中には・・・人間としてどれだけ心を成長させられるか?
・人間としての責任を果たす
・いかに自分を律するか
・自発的でなければ大事なことは身につかない
・トラブルを自分磨きの手段にする
・「眼には見えないけれど存在するもの」があると自覚する

等が書かれてありました。

一般に会社で自分の置かれた位置が高くなればなるほどに、ここで言われる「心の器」が大きくなることが求められるように感じています。

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かつて自分自身が役員である上司に対してさすがと感心する出来事もありました。
僕が支店長時代、重要な人事をお願いする為に役員のもとを訪ねたことがありました。
社内的にも僕の要望が通れば社内では初めての事で、通例であれば到底無理な依頼を上司に対して打診したのですが、案の定上司の意見は明確でした。
「バカヤロー、そんな事例は一度もない、帰れ!」と一蹴されました。
(今の時代ではこんな言い方はないでしょうが、当時はこんな言い方が当たり前でした)
若い社員を抜擢する人事の困難さを味わいがっくりとうなだれて上司のもとを去った記憶があります。
年功序列人事がまかり取る時代で僕の要望は無理と言われてもしょうがないものでした。
ところが、自分の中ではどうしてもこの人事を通してもらいたいという気持ちが強くなるばかり、再度上司である役員のもとへ顔を出しました。

こわごわと・・・例の件ですが・・・と切り出した矢先、
「わかった、好きにしろ」と意外な返事が返ってきました。
結果としてこの抜擢人事は大成功、後に上司からも「お前の言うことを聞いておいてよかった、ありがとう」と言われました。

ある種身体を張って進言した自分も勇気が必要でしたが、上司の器を知ったときでもありました。
上司は私の本気度をおそらくは計ったのでしょう。
そしてこの人事で抜擢された社員が期待に応えてくれました。
素晴らしい結果を出して業績向上に大きく寄与してくれました。

年間120億円以上の売り上げをする支店長となって僕もまた人間的に成長できたのではと振り返ります。
巨視的なものの見方が出来るような方向に変化していったようにも思います。

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関与する会社の中にもいろんな人間関係が見て取れます。
最近も感じる事がありました。
一営業として素晴らしい業績を上げた社員が、立場が変わってマネジメントを任されメンバーを引き連れた形になったとたんにいきなり厳しいだけの上司になったりしてチームの生産性が落ちていく場合もあります。

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率先垂範で自分から先頭に立って組織をけん引する管理者になってこそ業績は上がってくるものです。
上へ行くほどに自分の仕事量も増やしていくという姿勢
メンバーに任せてみるという対応
人間の器はこんなところに表れてくるものと思われます。


カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
もともと住宅業界は地域と共に生きてきた産業です。
あの建築会社は親戚にあたるから…とか、あの工務店はずっとこの地域で家づくりをしているから…といったように。
そこでの重要なポイントは「信頼」だったように思います。
人が人生で一番大きな買い物をするためには何と言っても「信頼感」が重要ですね。

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僕が積水ハウスを辞めて住宅会社顧問の仕事を始めて早いもので19年になります。
沖縄県を除く全国46都道府県の住宅会社とのご縁を頂きました。
有難いことです。
そういった中で魅力的だなと感じた住宅会社もいくつかあります。
感動させてもらった住宅会社さんです。
そういった工務店さんはこれからも是非地域の中で生き残って頂きたいと願わずにはいられません。

例えば四国の住宅会社、今では順調に売り上げを伸ばし従業員の方も増え30名近い会社になってはいますが、顔を出させて頂いたときは社員全員で9名の会社でした。
爽やかな社長が率先して社員さんや業者さんをけん引しておられました。
驚いたのは専門の営業担当者が誰もいない住宅会社でした。
逆に言えば設計担当者が、現場監督が、内務の担当者が…とにかくみんなが営業業務も行うという全員営業の住宅会社でした。

その会社には展示場もなくて驚きでした。
ただ社長の父親にあたる創業者から受け継がれてきた地域との結びつきが何よりの財産であり地域の人からの「信頼感」が寝ずいていた住宅会社という印象でした。
会社でお世話をした住宅を現場見学会で使わせていただき定期的に見学会を開催されて新規のお客様を掴んでおられました。
感心したのは社員全員がお客様を見送る事、挨拶の徹底、気持ちの良い会社というイメージが定着していたことです。
又会社の空いているスペースを活用して地域のカルチャースクールを実践しておられました。

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記憶に残ってるものでは・・・・・
園芸教室
気功教室、
籐園芸工房
水彩画教室
手打ちうどん体験
ベビーマッサージ教室
簡単お菓子作り
粘土工芸
インテリアフラワー
認知症を防ぐ教室・・・・・
色々なカルチャースクール
が定期的に行われていました。
この会社に顔を出される方々が多いことも理解できますね。
素晴らしい事です。

またこの会社の素晴らしいところは地域に密着するのみでなく、地域に貢献するというところにもありました。
地域の小学生を対象としてバスケットボール大会を毎年開催しておられました。
地域の皆さんからオファーを頂くのがよく解ります。
あの住宅会社だったら安心・安全だという「信頼」が溢れていました。

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また年に1回の大きなイベントで会社周辺を使って夏祭りが開かれていました。
これはもう社員さん達のみならず、会社に出入りする取引業者の皆さんも一緒になって大盛り上がりで実行されるビッグイベントでした。

僕の目に映ったこの住宅会社の姿こそ、本来の住宅会社=地域に愛される工務店さんの本来あるべき姿だと感じました。
時代と共に住宅も変化をしていきますが、変わらなくてはならないものと、変わってはいけないものがあるように思われます。
この住宅会社の社長の感覚はとても優れておられて見えたように思います。

全国各地の多くの住宅会社に出会い、住宅業界のすばらしさをしっかりと経営に取り入れておられる住宅会社にも数多く出会いました。
これからも住宅業界は地域と共に歩んでいくものと期待してやみません。