2021年 06月の記事

June 2021
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
2020年度の大手住宅企業のの総販売戸数を見ると新型コロナ感染の影響を受けて軒並み前年度を割る形となっています。
ヤマダホームズのみがプラスに転じていますが、これはレオハウスやヒノキヤグループを子会社化したことが影響しているからと言ってもよいでしょう。
三井ホームに至っては対前年比22%減と大きく販売戸数を減少させています。
住宅販売会社の厳しい現実を垣間見ることが出来ます。

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住宅展示場への来場客の数も随分と減ってきていますね。
僕の住む愛知県春日井市の近隣の住宅展示場では大手メーカーの来場者は1割減でしたが、ビルダー関連の展示場が3割以上と大きくマイナスしている状況でした。

そんな中で大和ハウス工業が戸建て受注において紹介受注が増えてきていました。
展示場来場者からの契約が5%減少したのに対して、紹介からの成約は2%増加で結果として成約要因のトップになってきています。
これはとても望ましい事だと考えます。
確かに展示場来場組数が前年比32%ダウン、1展示場当たりの年間来場者数は197組で24%ほど減ってきています。
つまりは1ヵ月に展示場へ顔を出される顧客の数は16.4組という数字です。
展示場にいる営業の数が4人として考えると、営業一人当たりの顧客の数が月間4組ということで、この数だと何のための展示場かと腕組みをしたくなってしまいます。

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かつて僕が支店長時代、住宅展示場にかかる経費も大きく費用対効果の点で、一つの展示場で営業1人当り4組の展示場からの情報入手(引合)が無い場合は、展示場の出店を見直すという考え方をしていました。
他には展示場来場者から毎月コンスタントに受注が出来る展示場は残す方向性で考えましたが、そうでない展示場は出店を控えるようにしていました。

積水ハウス時代、現実的には成約に至る要因の一番は顧客からの紹介でした。
他にもJAや金融関係、税理士(TKC)、不動産屋、取引業者、知人・友人からの紹介もコンスタントにありました。
紹介からの成約は望ましいですね。
お客様を常日頃から大切にしている何よりの証でもあります。
また経費の大きな節約にもなりました。

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振り返れば、僕の新入社員時代、会社からいただく新規の名簿は無く、もっぱら飛び込みや、先輩が見切りをつけた古い名簿を懸命に巡回しました。
先輩社員が捨てた名簿は、現段階での建築計画はないものの、そのうちには夢を叶えたいという人が多く存在していました。

1件1件の見込み客のお客様に計画される時が訪れたら、ぼくと契約してくださいねとお願いして人間関係をしっかりと造っていったことを記憶しています。
当時の記憶をたどると契約するまでに50回~60回はお客様とお会いしていますね。
何度もお会いすることでお客様からはおかげさまで可愛がられ食事などもごちそうになったりもしました。
お客様宅へ訪問することが楽しかった記憶があります。
住宅に関わる新聞記事や雑誌メモ、住まいに関する情報など毎回毎回、手を変え品を変えて持参したことを思い出します。
そして必ずや世間話をして、またお客様に関心をしっかりと持って接触したものでした。

人間関係が強固にできていたことから、他社との競合は無し、お客様の機が熟した時に僕に対して声がかかるようになりました。
契約棟数こそ1年目は少なかったのですが、それでも6棟の契約を頂くことが出来ました。
全て先輩社員がこの名簿はもういらないと投げ捨てた顧客名簿ばかりでした。

そしてその翌年(入社2年目になった年)契約を頂いてお引渡をしたお客様から、新しい顧客情報を数多くいただくようになりました。
そしてそういった紹介が花を結んで新しい受注につながりました。

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急がば回れ・・地道に愚直に自分に負けずにお客様探しをしていくことが大切です。
営業には王道はありません。
堅実に地域に根を張って仕事をしていくにあたって、お引渡をしたお客様から次のお客様をご紹介いただく形、これが一番望ましい住宅営業の契約の形だと思えてなりません。
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
 愛知の顧問会社でリフォームの勉強会を実施しました。
今までも多くの企業でリフォームについての研修会を実施してきました。
新築営業との大きな違いはありませんがリフォームならではの手法もあるものです。
皆さんはリフォームについての知識をどのくらい持ってらっしゃるでしょう。

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 この数年間の推移を見てみると・・・
リフォームをされる方々の平均年齢は徐々に高齢化している感じがします。
リフォームをされる方の年収は下がってきているようです。
但し、リフォームに費やす費用は徐々に上がってきているようです。
リフォーム経験者が増加傾向にあるのも事実です。


 リフォームの動機は何が一番多いかご存知でしょうか?
1.住宅にいたみが生じたり汚れを感じていることから。
2.キッチンや浴室、などの設備関連の充実のため。
3.構造的な問題(住まいの長持ちの為)。
4.将来(老後)に備えるため。
5.今よりさらに良い住まいにしたいため・・
・といった順になっています。

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 どんな業者に頼んでいるかというと・・・
やはり付き合いのある業者が多いようです。
安心できるということでしょうね。
また友人や知人からの紹介も多いという結果が出ています。
インターネットや飛び込み営業、DMなどは直接契約原因にはなっていないようです。

 自分が家を契約した会社以外でリフォームしている人が何と40%以上なんですね。
これは僕としては不思議なんですが、まだ住宅業界がお引渡し後のお客様との関係つくりに十分注力していないように思われてなりません。
ただ、少しずつですが施工した住宅会社でリフォームが増えてきているのは喜ばしい現象だと捉えています。
お客様満足とリフォームの関連性も調査してみると面白い感じがしますが、お引渡し後の定期的なお付き合いが望ましい野は言うまでもないように思われます。
契約のみならず、引き渡し後のお客様への接触を欠かさないようにしたいものです。

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 リフォーム対象の箇所を調査すると・・・
1、外壁
2、トイレ
3、キッチン
4、浴室
5、リビング
6、屋根
7、玄関
8、ダイニング
9、寝室
10、子供ルーム・・・の順です。


 そして1件当たりのリフォーム費用は平均84万円ぐらいだということです。
気になる粗利益については35%は厳しいようで29%という数字が出ています。
リフォーム営業の一人当たりの生産性はというと4050万円、粗利は1180万円ということになります。
総合リフォーム店が一番の受注をとっており、次いでビルダーや工務店の順でハウスメーカーは少ないのが現実です。

 とはいっても、積水ハウスリフォームや、住友不動産、大和ハウス工業、積水化学工業、住友林業、ミサワホーム、旭化成、パナソニックの順で住宅事業者の売上げがあり、1位の積水ハウスリフォームは1400億円以上を達成しています。
 ちなみにアメリカのリフォーム売り上げを見てみると、総合リフォーム会社1位の売り上げが111億円、専門リフォーム会社の売り上げトップが年間760億円ですから日本のハウスメーカーの売り上げ規模の大きさが極まっていることが立証されます。

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 新築営業と比較してリフォーム営業は顧客との接触が多ければ多いほどに受注に結び付くというデータがあります。
 お客様を好きになって頂き、地域に密着した営業展開をすることが需要ですね。
「街の便利屋さん」になって頂くことこそが、必要不可欠なことであるように思います。

リフォームを実施することによって家族の笑顔が増えていくことを望んでやみません。
 


 

 

カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
 かつてアメリカの調査会社ギャラップの「社員の仕事への熱意度調査」の話をこのブログ上でもしたことがあります。
 調査した世界の国の中でなんと日本は139か国中132位という寂しい結果でした。
 また2013年時と2017年時の調査結果がほとんど変わっていないというのも事実です。

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「やる気ある社員」6%
やる気に溢れ会社への貢献度も高い、ビジネスをより発展させる。
「やる気のない社員」70%
ただ仕事をやらされている、決して仕事に情熱やエネルギーを燃やさない。 
「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」24%
単にやる気がないばかりでなく、やる気ある同僚の足をも引っ張る。
…という我が国の結果でした。

 健康飲料リゲインのCMではありませんが「24時間働けますか・・・!!」といわれて諸外国からも働きバチと称されて遮二無二に働いていたかつての我々の世代と比較すると大きな変化に驚嘆せざるを得ません。
 当時は働くことが美徳、長時間働くほどに会社からは評価され、またそれが業績向上にもつながっていたものでした。

 自分を振り返れば、仕事の上では「量は質に転化する」と唱えて、量を重ねることから学習することによって生産性を高めていく手法を当たり前化していました。
与えられていた目標数字を大きく上回る176%の実績売り上げができたのは、社員さんはじめ、関係各社の皆さん方、そしてオーナー様方のおかげだと感謝の気持ちでいっぱいです。それは決して集団的発想でなく組織として強い塊の形で日々形を変えながら発展的に動いていた証でもありました。
「仕事をすることで自己実現しよう!」と、社員さんのモチベーションが上昇するようにとった様々な策もよかったのではと振り返ります。

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 では今一番やる気の弊害になっているものは何なんでしょう
1,日本のほとんどの企業でいまだに管理職を除いて成果主義というより、決まった時間を働くことを強要され、定められた時間に在社していない場合賃金カットされてしまう制度が存在します。
拘束時間ばかりが長いとも言えます。

2,コンプライアンスが強く意識付けされて、やってはいけない事へのナーバスなまでの対応、かつての加点主義から減点主義になって、失敗ばかりを恐れている感覚があります。これが業務改善を阻害する大きな要因になっているように感じてなりません。

3,仕事の細分化によって「自分が会社のどういういう事に役立っているか」が見えにくく、また会議や書類の多さ、複雑な人間関係もマイナス要因になっているように思えてなりません。
個々の能力が社内でなかなか通らない、提案も認められないということもあるようです。

本来は働く社員自身が、自分の会社に対しての愛着を持ち、仕事へのやりがいや価値を見つけることが重要であるはず、仕事は大変だけれど自分のためになっている、間違いなく将来自分にいい形で還元されてくると信じながら、一緒になって仕事に取り組んでいる仲間たちとも強い絆で結ばれており、お互いに助け合うこともできるし、そうありたいと思っているのではないでしょうか。

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 一般に発展途上国の若者ほどやる気に充ちているといいます。
目が輝いていて、明日を夢見ていて、人生をしっかりと生きていこうとしている姿がそこにはあります。
 経済が成長し、先進国となって、かつて夢見た生活が当たり前という日常になってしまったことで、情熱を失ったのでしょうか・・・。

 僕はそうは思いません。
皆、心の奥底には燃えたぎる熱いものを持っているものと信じています。
どんな時代であっても、どんな人生であっても、生きるに値する人生がそこには存在します。
夢を見つけて情熱を燃やし挑戦していってほしいものです。

やる気のない社員が多くなっている今こそチャンス到来といってよいでしょう。