ユニバーサルデザインやバリアフリーという言葉が脚光を浴びて久しくなります。ユーザーにもしっかりと認識され、どのメーカーも住宅にはバリアフリーが当たり前になりました。ところが肝心のお客様と営業との間のバリアフリー化が出来ていません。現実にどのメーカーも契約した物件が速やかに着工されていません。10棟契約して9棟が売り上げに結びつけばいいほうで、会社によっては8棟まで落ち込む場合もあると聞きます。ではお客様と営業のバリアフリー化を促進していくにはどうしたらよいのでしょうか?いうまでもありません。充分お客様に納得してもらう契約パターンに変えることです。が、実際には、契約至上主義の中、無理やり契約実績を計上している現実があります。契約はほしい、ところが、お客様との信頼関係が構築されないで契約実績だけが一人歩きしてしまっているのです。そして契約金が100万円未満の物件や、工期が1年以上先の物件、敷地に問題点を抱えているもの・・・などが着工できない状態です。それだけならまだしもキャンセルさえ思うように出来ません。結局は営業もメーカーも自分で自分の首を絞めることになっているのです。この10年間でも住宅の着工戸数は大きく減少しました。160万戸近かった戸数は今や115万戸前後に減ってきています。売り手市場から買い手市場へと市場は変わり、またユーザー側は住宅に関する知識を習得しています。そしてコンプライアンスの重要性が問われ、お客様満足度の向上にどのメーカーも懸命になりつつあります。そんな今こそ各メーカー、営業はこぞってユーザーとのバリアフリー化を促進するべきでしょう。つまり契約前にしっかりと時間を取り、設計の関与、工事担当やアフターサービス担当の紹介をしたうえで、上司立会いのもと契約書にサインを頂ければよいのです。このバリアフリー化が営業の社会的地位の向上に繋がるといっても過言でありません。