積水ハウスの岡崎支店時代、江戸時代から続く三河花火の本場のこの地は花火師の多い事でも知られます。花火大会は大変なにぎわいでした。花火大会の行われる2週間ほど前から乙川の河畔には桟敷席が創られ始めます。それをなんとも不可思議な眼で見つめていた自分がいました。初めてこの街に赴任した時にはそれが大変に驚きだったのです。
 そして当日、協力業者の皆さんが僕をその桟敷席に招待してくださったのです。感激しました。花火大会の当日にこの席に陣取ってお酒を飲み、食事をいただきながら各種の花火を見るのは何よりも風流です。この席は特等席でここからは仕掛け花火もしっかりと見ることができました。20000発の花火が夜空に舞う様はとても美しく幻想的でもありました。人口30万のこの町が花火大会当日は45万人もの人でいっぱいになったのでした。
 会社のビルからも花火を綺麗に観ることが可能でした。この日ばかりは特別で仕事を早めに切り上げお寿司をとって社員も夏の一夜を楽しむのが恒例になっていました。

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 あれから16年、僕は今東京は隅田川の花火を見つめています。この日の宿は浅草のホテルでした。夜空に美しく浅草寺のお堂が五重塔が浮かび上がっていました。そしてまた驚きだったのは、さすがに東京ですね。何と94万人もの人・人・人だかりです。足の踏み場がないと言った感じで、岡崎と同じ20000発の花火でも見物する場所すらないと言った感じでした。
 美しいものには何故か悲しさも伴うものなのかもしれませんね。毎日があっという間に流れていきます。大切な時間、もっとしっかり生きていきたい・・・そんな気持ちになるひと時でもありました。