あわただしく時間が流れていきます。納棺の儀式、遺体の葬儀場への移動、悲しんでいる時間もなくお通夜を迎えました。夜遅くまで多くの人たちが式場へきてくださいました。以前の仲間だった社員もたくさん顔を出してくれました。よりたくましく元気そうな彼らの顔を見てほっとしました。夜、親しい仲間と近くの蛍の名所に足を運びました。土曜の夜と言うことも手伝ってすごい車の数でした。蛍がその小さな身体から発する光を様々に飛び交うことで魅力を作っていました。僕には母の魂が飛び交っているようにも見えました。
 母との最後の夜でした。

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「華香院釈千保」という戒名のごとく花いっぱいに会場は飾られていました。