サラリーマン時代の同僚を誘って愛知と岐阜の県境に足を運んでいます。
11月23日から12月1日までの9日間だけのイベントがあって、機会があればいつかきっと見学しようと考えて、ようやくというかその機会に恵まれました。

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ここは「愛岐トンネル群」と呼びます。
「未来に伝えたいものがあるんだ」との主催者側のチラシを頂きました。
何でも国の3大廃線トンネル群がここに存在していて(明治33年開通当時のままのものが残されています)丁度秋の紅葉の時期に合わせて、渓谷の秋を満喫しながら散策するというもの、お聞きすると15年ほど前から実行されてきているとのことでした。
ちなみに日本3台トンネル群というと、碓氷峠(群馬県)と、旧北陸線トンネル(福井県・滋賀県)と、今日の愛岐トンネル群を指すようです。

会場には駐車場は一切ありません。
久しぶりに中央線に乗車してカタコト走って定光寺駅で下車します。
普段は乗降客もない中央西線JR「定光寺」無人駅なんですが、このイベントが行われる1年のうちたったの9日間だけは臨時の駅員さんが10人近く立たれ、この日ばかりは普段は止まらない快速列車も止まってくれます。(ありがたいですね)
午後から雨が降ってくるかもしれないとのことで、若干の不安も持ちながら現地に向かうとなんと平日にもかかわらず、ヒト、ヒト、ヒトの列でした。
(見学中の午前中は天気も崩れる事もなく無事に散策が出来ました)
この様子では土曜、日曜、祝日は大変な人でしょうね。

一つだけ残念だったことは期待していた紅葉がいまだ時期早しといった感じでちらほらとした状態でした。
距離としては片道が1,7キロ、リハビリ中の僕としては丁度良い距離だったように思います。
3号トンネル(75m)、4号トンネル(75m)、5号トンネル(99m)、6号トンネル(333m)とあり、中々趣きがあります。
あたかもSJ列車が蒸気を挙げて、「ポー―」と大きな汽笛を鳴らしながら走ってくるのではという感覚に襲われもします。

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そういえば幼児期、あの汽笛の音が怖くもありました。
が、今となっては懐かしく、魂の故郷に帰ったような感覚にもなります。

この1,7キロのトンネル群がとても魅力的に創られていたことに感心しました。
開催の年によってもいろいろと趣味嗜好を凝らしているようです。
例えば、ジャングルジム、笹迷路、ボルダリング、ターザンブランコ、大きなSLの動輪が展示され、残存物のパネルも、今年は6号トンネル内が妖怪隧道となっており、おなじみの目玉おやじや一反木綿などの妖怪が出迎えてもくれました。
トンネル内は暗くて、またそれがいい雰囲気を醸し出しています。

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トイレにも困らないように、またおなかが空いたときの為にも弁当や飲み物が途中途中に用意もされ、ボランティアで頑張っておられる方々の親切な説明もあり、気持ちの良い想い出作りが出来たように振り返ります。

単純にトンネルくぐりではなく、いろんな付加価値を付けて趣のあるショーを演出している感覚が素敵でした。
なんでもアンケートによると、もう一度この愛岐トンネル群を訪れたいとする人は、ぜひ訪れたいという方が52%、訪れたい人が38%という結果が出ています。
毎年堅実に来場者数が伸びてきており2008年に始まったこのイベントの来場者数は40万人に達しようという勢いです。
知る人ぞ知る…といった感覚から始まりましたが、口コミでの伝道もあり段々と数を増してきているんですね。
片道1,7キロの散歩路が玉野渓谷の流れを見ながら、大自然に抱かれて、おもしろおかしいイベントにも魅了されあっという間の2時間でした。
幸いにして足の痛みもなく、一緒に言った仲間も感動を味わったようです。

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1年の内たったの9日間だけのイベントは何か貴重な体験という感じもします。
寒くもなく健康的な仲間との時間の共有が充実時間を作ってくれました。
生きている実感を味わっています。こういった時間に感謝ですね。