かつて積水ハウスの東京でのアパート委員長時代にアパートのプランをオーナー目線から、入居者目線に変えたことがあります。
皆さんご存じのように一般住宅の場合は入居者であるオーナーさんと直接たくさんの打ち合わせを重ねて「住まい」を創っていくものです。
ところが賃貸住宅の場合はというと入居者の意見を聞く事はなく、ほとんどが出来上がっているプラン集から間取りを決めているのが当たり前の状況でした。

そこで入居者の意見を中心に考えた戸建て感覚のプラン、お風呂とトイレは別にする、クローゼットを増やす、1階には専用庭を創る、キッチンも対面式などにしてみる等工夫をしてみました。
結果としては大成功、現在は殆どの賃貸住宅が入居者目線で作られていますね。

違う世界の話ですが、あの旭山動物園が日本の動物園では当たり前な動物の姿形を見せる「形態展示」から、行動や生活を見せる「行動展示」を導入したことで注目を集めましたが、明確に目線を変えたわけです。

さて最近の(今どきの)賃貸住宅のプランの話です。
例えば積水ハウスの賃貸住宅用の生活提案ブックにはこんなプランが表現されていました。

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ここでは家事や育児を頑張りながら大好きなおしゃれも諦めない、毎日の暮らしも家族との時間も大切にする、そんな今どきのママたちの目線からプランニングが出来上がっています。
常日頃忙しいママたちを応援するための生活導線、行き止まりの無い使い勝手の良い生活空間が存在しています。

我慢やストレスのないスマートな暮らし、ママたちに嬉しさをたくさんプレゼントした
生活スタイルが表現されていました。
まさに入居者目線、いいですね、さすが積水ハウスと感心してしまいました。
(後輩たち頑張ってますね)

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ここへきて住宅の価格は随分と高額のものへと変わってきています。
一般人が手に入らないような価格にもなってきています。
住宅メーカーと地域ビルダーの差が極端でもあります。
賃貸住宅もまた低層住宅から中高層住宅へとシフトされてきています。
そうなると勿論価格も高額です。
おそらく近い将来賃貸住宅に居住して生涯を送る家族も増えるのではと予想します。
そんな中で私達はもっともっと顧客の立場を理解した商品の開発を望みたいものです。
戸建て住宅のみならず、分譲住宅も、賃貸住宅も、リフォームも今どきに変えていく必要があるような感じがしてなりません。


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ちなみに3月11日、12日は積水ハウスは『住まいの参観日』を全国展開します。
嬉しいですね。
自分たちが企画・立案したイベントが今も恒例行事となって展開されています。
名古屋で7人のメンバーで作ったこの行事、3年間の中部地域での大成功を経てその後広がりを見せ、全国イベントとしては1989年から第1回目がスタートですからいまや34年目になりますね。
随分と回を重ねてきたものです。
またほとんどの人が知っている住宅業界を代表するイベントでもあります。

「変わる」ものと「変わらない」もの、この双方が重要ですね。