会社員時代、人事に関しては多くの社員の関心事でした。
ご存じのように社員さん達は自分たちの上司を選ぶことが出来ません。
誰が一体自分たちの上司になるだろう・・・当然のことながら期待もありますが不安の種でもあります。

いろんな会社を見てきて感じることですが、いま日本の企業の社員のやる気度がとにかく低い気がしてなりません。
これは以前もアメリカの調査会社ギャラップのデータをお話したことがあります。
日本に於けるやる気のある社員がたったの7%というウソのような実態です。
何だか情けなくなります。
様々な原因があるわけですが、一つの要因として上司が社員のモチベーションを下げていることが挙げられます。

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ほとんどの企業においていかに社員さんたちのモチベーションを高めていくかを考えてはいるようです。
ただ現実には、逆に社員さん達のモチベーションを下げる要因を分析する方を優先順位としては高く考えるべきだと思っています。

僕のよく知っている著名企業においても社長の個人的関係でも「まさかっ」と驚く人事が行われています。
考えられない非常識な飛び級でいきなり役員になってしまうような・・・。
まさに社長が会社を私物化しているような感があります。
社長の好き嫌い人事がそこにあっては大きく関係しています。
自分のイエスマンを側近に置いておきたいという気持ちもあるでしょう。
自分の立場をひっくり返すような対抗馬とも考えられる実力者はむしろ遠ざけるように仕向けていくことも現実にあるように映ります。
常日頃真面目に仕事に励んでいる社員さんにとっては大きなモチベーションダウンの現実です。
逆に多くの社員さん達から人望もあって、仕事もできる人で業績も上げているのに左遷としか考えられない人事が行われている事も存在します。
社長自らの保身のための人事が行われている感覚です。

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こういった人事は結果として真摯に仕事に向かっている社員さん達のやる気を失わせる大きな原因となっています。
いくら常日頃から美辞麗句を並べ社員さんに対して接している社長であっても、実行していることがまるで反対であれば社員さん達はついつい横を向いてしまうものです。

職場の中で現実に起こっているこういった事実を放置しておくのではなく組織文化や組織風土を見直す必要を感じます。
「企業の格差はモチベーションに大きく影響」します。
社員の主体性や当事者意識は企業が生き残っていく為には重要な要因と考えます。
社員が受け身であっては時代を乗り越える新しい価値など生まれる訳がありません。

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最近読んだ書「こうして社員はやる気を失っていく」松岡保昌氏から抜粋です。
「社員がやる気を失っていく上司」に共通する問題
・目を見て話さない、目を見て話せない
・理由や背景を説明しない
・一方通行の指示
・コントロールできる部分を与えない
・話を聞かずに結論を出す
・意見も提案も受け入れない
・言うことに一貫性がない
・感覚だけで評価する
・失敗を部下にせいにする
・部下の仕事を横取りする


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人は感情の生き物です。
人生をかけて働く自分たちの企業が「やる気」を無くす要因が存在することは、企業の業績に大きく影響してきます。
胸に手を当てて、上司は自分の行動を顧みたいものです。