住宅会社の顧問としてありがたいことに長く仕事を頂いています。
積水ハウスを退職して独立して18年間、沖縄を除く46都道府県ですから、本当に全国各地で仕事をさせて頂きました。
そこで感じたことはやはり住宅会社は地域密着産業であるという事です。

もともと我々の住宅産業は「地縁」と「血縁」関係から仕事を受注するというところから端を発していると考えます。
大きな買い物だけに何よりも顧客からの「信頼」がある事が求められていたように思います。

殖産住宅、太平住宅、日本電建といった住宅会社が台頭し、その後は大和ハウス工業や積水ハウスに代表される住宅メーカーの時代があって、今に続き、現在は地域ビルダーやホームビルダーがメインとなってきています。

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さて分譲住宅について触れてみたく思います。
全国的には地価の高い・低いの相違があって分譲地の土地の大きさがいろいろです。
例えば顧問をしていた岩手の会社では分譲地の大きさは1邸当たり80~100坪でした。
また土地が大きい事もあって平屋が多かったように記憶しています。
(最近は全国的に平屋が増えてきていますね…特に九州は多いですね)
都市部へ行けば行くほどに土地の大きさが小さくなってきてさいたま市辺りでは1邸当たり30~40坪が中心でした。
そして都市部には2階建てが主流ですが、時として3階建ての分譲も存在しました。

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駐車場について述べると、地方ほど駐車場スペースが必要で2台から時には3台分確保されている場合もあります。
都市部は公共機関の便の良さもあって1台~2台がほとんどですね。

そんな中、販売しやすい分譲住宅はというと、僕が常々考慮した一番は周辺環境でした。
生活しやすい事です。
ここだったら住みたいと思わせる場所である事です。
50区画以上の大きな分譲地では、例え周辺の土地より価格が高くとも付加価値を付けて魅力ある分譲地を創るように工夫しました。
時代背景もありますが、販売初日に全邸即完売(しかも抽選で)ということもありました。

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また健康面にも絡みますが日当たりが良い事です。
支店長時代、随分と数多くの分譲地を購入もしましたが、この周辺環境と日照を一番重視しました。
そして分譲地を購入するだろうと思われるターゲットのお客様層のニーズやウォンツをリサーチすることに力を入れたと振り返ります。
それによって総額が決まりプランニングも決まってきます。

また 多くの営業社員を抱えてもいましたから、自分たちが欲する分譲地でもある事も頭にありました。
当然ながら自分たちが魅力を感じない物件ではお客様にもおすすめは出来ません。
他には分譲地も女性目線で考えていく事もポイントと言ってよいと考えます。

便利さという点では戸建て分譲はどうしてもマンションに比べて温度差を感じる事も多く(販売価格にも大きな影響も出ますね)戸建ては自然環境を重要視した方が良いですね。

お客様に対して周辺の環境も商品であるという考え方を持つことがとても重要だと考えます。
ですから個別にお客様をご案内する場合であっても、お客様目線に立って生活するためのいろんな種類の生活必要な施設(例えば、学校・スーパー・医療施設・駅・公園など)はしっかりと、時間をかけて詳しく案内しておきたいものです。
極力お客様を自分の車にご乗車頂いて、一体感の中でたくさんの雑談も交えながら…だからこの分譲住宅はかけがいの無いあなただけの住まいです…というようにお薦めしたいですね。

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個人的にも多くの分譲地を手掛け、また販売もしてきましたが販売するための住宅にほれ込むことこそが一番のポイントだと思います。