2020年度の大手住宅企業のの総販売戸数を見ると新型コロナ感染の影響を受けて軒並み前年度を割る形となっています。
ヤマダホームズのみがプラスに転じていますが、これはレオハウスやヒノキヤグループを子会社化したことが影響しているからと言ってもよいでしょう。
三井ホームに至っては対前年比22%減と大きく販売戸数を減少させています。
住宅販売会社の厳しい現実を垣間見ることが出来ます。

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住宅展示場への来場客の数も随分と減ってきていますね。
僕の住む愛知県春日井市の近隣の住宅展示場では大手メーカーの来場者は1割減でしたが、ビルダー関連の展示場が3割以上と大きくマイナスしている状況でした。

そんな中で大和ハウス工業が戸建て受注において紹介受注が増えてきていました。
展示場来場者からの契約が5%減少したのに対して、紹介からの成約は2%増加で結果として成約要因のトップになってきています。
これはとても望ましい事だと考えます。
確かに展示場来場組数が前年比32%ダウン、1展示場当たりの年間来場者数は197組で24%ほど減ってきています。
つまりは1ヵ月に展示場へ顔を出される顧客の数は16.4組という数字です。
展示場にいる営業の数が4人として考えると、営業一人当たりの顧客の数が月間4組ということで、この数だと何のための展示場かと腕組みをしたくなってしまいます。

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かつて僕が支店長時代、住宅展示場にかかる経費も大きく費用対効果の点で、一つの展示場で営業1人当り4組の展示場からの情報入手(引合)が無い場合は、展示場の出店を見直すという考え方をしていました。
他には展示場来場者から毎月コンスタントに受注が出来る展示場は残す方向性で考えましたが、そうでない展示場は出店を控えるようにしていました。

積水ハウス時代、現実的には成約に至る要因の一番は顧客からの紹介でした。
他にもJAや金融関係、税理士(TKC)、不動産屋、取引業者、知人・友人からの紹介もコンスタントにありました。
紹介からの成約は望ましいですね。
お客様を常日頃から大切にしている何よりの証でもあります。
また経費の大きな節約にもなりました。

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振り返れば、僕の新入社員時代、会社からいただく新規の名簿は無く、もっぱら飛び込みや、先輩が見切りをつけた古い名簿を懸命に巡回しました。
先輩社員が捨てた名簿は、現段階での建築計画はないものの、そのうちには夢を叶えたいという人が多く存在していました。

1件1件の見込み客のお客様に計画される時が訪れたら、ぼくと契約してくださいねとお願いして人間関係をしっかりと造っていったことを記憶しています。
当時の記憶をたどると契約するまでに50回~60回はお客様とお会いしていますね。
何度もお会いすることでお客様からはおかげさまで可愛がられ食事などもごちそうになったりもしました。
お客様宅へ訪問することが楽しかった記憶があります。
住宅に関わる新聞記事や雑誌メモ、住まいに関する情報など毎回毎回、手を変え品を変えて持参したことを思い出します。
そして必ずや世間話をして、またお客様に関心をしっかりと持って接触したものでした。

人間関係が強固にできていたことから、他社との競合は無し、お客様の機が熟した時に僕に対して声がかかるようになりました。
契約棟数こそ1年目は少なかったのですが、それでも6棟の契約を頂くことが出来ました。
全て先輩社員がこの名簿はもういらないと投げ捨てた顧客名簿ばかりでした。

そしてその翌年(入社2年目になった年)契約を頂いてお引渡をしたお客様から、新しい顧客情報を数多くいただくようになりました。
そしてそういった紹介が花を結んで新しい受注につながりました。

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急がば回れ・・地道に愚直に自分に負けずにお客様探しをしていくことが大切です。
営業には王道はありません。
堅実に地域に根を張って仕事をしていくにあたって、お引渡をしたお客様から次のお客様をご紹介いただく形、これが一番望ましい住宅営業の契約の形だと思えてなりません。