コロナ感染が長期になってきています。
思うように動けない日々が続いています。
こうなるといつの間にか心までがついつい荒んでしまいそうになってしまいがちです。

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 オフィスの本棚に1枚の色紙があります。
かつて積水ハウス時代アパートオーナー会で2度(岡崎・八王子)講演をお願いした、かつてのメキシコオリンピックマラソン銀メダリスト君原健二さんから頂いたものです。
そこに書いてあるのは「人間に与えられた最大の力は努力です」という言葉です。
名言だと思います。
その中で君原さんはこうもおっしゃっておられます。

「努力というと、歯を食いしばって”頑張る”悲壮感がイメージされますが、
自分自身が辛いと感じているようでは、それは努力ではないでしょう。
周りがどう感じていたとしても、自分自身は嬉々として、どん欲に、掘り下げていくことができることが、真の努力と呼べるものですね。
結果などに明らかに違いが出てきますからね。
 そしてそういう真の努力は、誰にでもできるものであり、すでに備わっている、最大の能力、才能といってもいいでしょう。
この最大の能力を、いかに当たり前に使っていけるか、引き出していけるかですね。」


 マラソンを走るたびに常に大きく首を振り振り苦しそうに限界まで走り続けていた君原さんの姿を思い起こします。

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 君原健二さんは1966年アメリカ・ボストンマラソンで優勝、海外初制覇でした。
翌年の別府大分マラソンでは当時の日本新記録2時間13分33秒でさらに記録を伸ばします。
そして1968年メキシコオリンピックでは1964年の東京オリンピックで記録した8位を越える第2位で銀メダルを獲得されました。
そしてまたそれから4年後のミュンヘンオリンピックでも5位と3回連続でのオリンピック入賞は素晴らしい記録です。

 ボストンマラソンには粋な計らいがあります。
優勝者を50年後再度マラソンに招待するというものです。
君原さんは25歳で優勝、そして50年後の2016年4月ボストンから招待され走りました。
50年ぶりに75歳となった君原さんは4時間53分14秒の記録で完走を果たしたのです。(素晴らしいですね)

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 君原さんのマラソン人生にはもう一つ称えたい事実があります。
それは参加したマラソン途中リタイアなし、全てに完走しているということです。
まさにいつも全力で懸命に努力しながらの走りだったような気がします。

 2度の出会いでは時間をとっていただき、一緒に食事をしながらいろんなお話をお聞きすることができ、改めて君原さんの人間味も感じることができました。
今となってはいい思い出でもあります。
そして「無駄に終わる努力などありえない」という言葉も頂きました。
様々な教訓を頂きながら充ちた幸せな時間を過ごさせてもらい懐かしい貴重な思い出となっています。

コロナ禍の今、つい意気消沈してネガティブになりがちな毎日ですが、君原さんの色紙の名言を見て自分に鞭打って背筋を伸ばそうとする自分がいます。
不器用でもいいからとにかく前を見て、君原さんのように人生を完走していきたいものです。