今年もまた積水ハウスの『住まいの参観日』が開催されます。

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 このブログでも過去何回かモチーフにしたことがありますが、『住まいの参観日』を立案・企画したものとして『住まいの参観日』の歴史というとオーバーかもしれませんが、その始まりを改めてお話ししたいと思います。
 
 現在もそうですが一般に工務店さんが定期的に行っているイベントのメイン行事といわれるものが「現場見学会」です。
これは家を契約したくださったお客様の住まいをお借りして実行される行事ですので、住宅展示場とは異なり現実的で、これから住まいをと考える契約見込み客目線にはぴったりのイベントと考えられます。
 費用的にも住まいをお貸しくださるお客様に支払う費用が比較的少なくて済みますから、費用対効果も高いものと位置づけされます。
 そして「現場見学会」は「完成見学会」と「構造見学会」が一般的ですが、自分の経験則から言うと、ほかにも「入居宅見学会」なども開催されることもあります。
 最近はコロナ感染の関係でほとんどが予約制での実施が当たり前化されています。
そしてもちろん積水ハウスも今も「現場見学会」を定期開催しています。

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 そんな中で社内では東海地方(愛知・岐阜・三重)、当時は積水ハウス中部第一営業部という組織でしたが、当時の営業本部長の指示がありました。
「きみたち、何か考えろ、なにか面白いことはないか」

 僕は当時、名古屋西営業所の春日井店・店長で日々忙しく仕事に頑張っていましたが、そういった契約を目的とした仕事とはまた別の仕事として中部第一営業本部販売促進委員会に名古屋西営業所の代表として毎月顔を出していました。
当時の販売促進委員会メンバーは7名で、この販売促進委員会が営業本部の委員会の中心となって毎期毎期の数多くのイベントを主催していました。

 今から振り返っても、当時は売れ売れの時代、♪ビジネスマン24時間働けますか…といったCMソングもあって、とにもかくも毎月契約という数字にどん欲になっていました。
よくもまああんなに仕事をしたものだと(半面よく遊びもしましたが)思います。
 そんな中で会社からは自分たちの好きなことをやってみろといった雰囲気もあって、仕事に対してのモチベーションは結構高いものがありました。

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 我々7名の販売促進委員会メンバーに対して営業本部長から「何か面白いことを企画してみろ」といった指示があったのを記憶しています。
 今までコンスタントに実施していた「現場見学会」を、積水ハウスとしてのスケールメリットを生かしてのイベントにしていこうとしたわけです。

 そして広告会社の協力も得て作ったイベントが『住まいの参観日』です。
1棟、2棟というレベルではなく数多くの建築現場・完成現場を一斉にお見せするわけですから来場されるお客様も通常の見学会に比較して随分と数が多く多忙を極めました。
参観日という言葉を使うことで、かつての授業参観日的な感覚で、来場を増やしていきたいという思いがありました。
当時の7名のメンバーは名古屋東・名古屋西・岡崎・豊橋・岐阜・三重・四日市のトップ店長たちで、僕も名古屋西営業所の代表として『住まいの参観日』には積極的にかかわりました。
僕も学生時代に広告研究会に属していたこともあってやりがいのあるイベントと中心的に積極的に関与しました。

 そして1986年から3年間、毎年春と秋東海エリアで開催したところ、何せ会場数が半端ではありませんので大好評、さすが積水ハウスは違うということで他社との差別化にもつながり大成功で、契約数の増加にもつながって好評価を頂きました。

 社内的には中部第一営業本部のこういったイベントの成功例が全社の会議などで発表され、だったら全社で取り組んでいこうということになったわけです。
そして1989年9月から全国積水ハウスディ『住まいの参観日』という形で開催されるようになりました。
まさか自分たちが作ったイベントが31年以上継続され、また他社にも大きな影響を与えるものになろうとは・・・。
またテレビCMの大きな影響力からでしょうか・・・ほとんどの人が『住まいの参観日』を知っておられます。

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 自分たちが企画・立案した『住まいの参観日』が30年以上、新聞媒体やテレビ媒体から、最近ではインターネットを通じて全国に流れ、住宅に興味を持たない人までがご存知の行事にまでなってきました。
 何か感慨深いものがります。
住宅業界に身を置いてよかったという気持ちも存在します。

 どうか皆さん、かつて僕や僕の仲間たちが情熱を傾けて企画し立案した『住まいの参観日』にお気軽にお出かけください。