2020年 11月の記事

November 2020
カテゴリー:一般の記事
author: Masahiko Kato
 最近ですが、エンゲージメント経営に関心を持っています。
エンゲージメント経営の一番のメリットは、社員と企業の信頼関係や愛着心をベースにしているため一度構築できれば崩れにくいというところです。
「社員が企業に満足しているか」という指標が従業員満足ですが、エンゲージメントは「企業と社員の双方の関係性を問い信頼関係や愛着心を可視化しよう」というものです。

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 『社員満足度』は給与や休暇、福利厚生面の満足、またコンプライアンスを守っているか、上司との関係性に満足しているかが問われます。
 『エンゲージメント』は仕事へのやりがいを感じているか、自分の会社を友人にも薦めたいか、職場で自分の意見が尊重されているかが問われます。
 『社員満足度』が待遇や環境など与えられたものを土台としているため関係性が崩れやすいのに対して『エンゲージメント』は信頼関係や愛着心を土台にしているためしっかり構築できれば崩れにくいものです。

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 以前こんな話をしたことがあります。
アメリカの調査会社ギャラップの「社員のやる気度調査」でしたが、悲しきや日本の社員のやる気度の低さが目立ちました。
何と熱意ある社員さんがたった6%だったのです。
そしてまたやる気のない社員さんが70%、企業に迷惑をかける社員が24%という状態でした。
 
 今回もエンゲージメント調査結果では日本人の仕事への熱意が持てていない社員比率の低さが目立ちました。
2017年の調査結果ですが仕事に熱意が持てていない社員比率が48%で欧州や北米、中南米、中東、アメリカと比べて飛びぬけて高い数字となっていました。
当然のことですが熱意が持てない社員が多いと企業の生産性が低下するのはもちろんのこと、企業としての価値や存在意識も危うくなります。

 今まで日本人の労働に対する価値観は画一的なものだったと記憶しています。
終身雇用が守られている、個人よりも団体行動、社訓を守るなど企業と社員との関係性は一方的なもので、やりがいや信頼というソフト面を考えてこなかったのが事実でした。

 ただこの10年来のスピードある情報化と働き方改革によって今までの考え方が通用しなくなってきました。
 エンゲージメント経営においては従来の画一的なモデル、社員や規制による規定から、やりがいのある企業、個人として評価してくれる企業へと価値観を変化させていこうというものです。

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 社員エンゲージメントの向上と相関が高い項目では第1位に「顧客に提供できる体験的価値への自信」がありました。
これは自社の商品やサービスに満足してもらえているという自信を指しており、社員の愛着心が高いとその企業で働けていることにやりがいや満足感を感じていると捉えることができます。

 エンゲージメントが高い企業では「組織体制」「個人成長「働く環境」の点で、どの項目をとっても社員が前向きにとらえているといえます。
 エンゲージメント経営を取り組んでいる企業では離職率の低下や生産性の向上、社員の幸福度アップ、強いきずなで結ばれた組織づくりが現実のものとなってきています。
 どんなことを実行しているかといえば・・・・・
・出世や肩書を廃止
・情報の共有
・感謝の気持ちをみえるかできるツールの導入
・社員一人一人が当事者意識と経営者目線を持つ
・企業の価値観を会社の冊子にまとめて共有・・・・などです。

 社員と企業の信頼関係を重視したエンゲージメント経営,前向きに考えてみたいものです。

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【追伸】 久々の東京でしたがコロナ禍で多くの発症者が出ていて、神経をすり減らしながらの移動でした。
 列車の乗車に至ってもなるべく空いた号車に乗って、感染対策に必死でした。
東京駅から澁谷駅までの山手線、あまりに人が少なくて驚きでした。
健康と経済の両輪を円滑に回してこの大変な時期を乗り越えていきたいものです。
 
カテゴリー:接客/サービス
author: Masahiko Kato
 コロナ禍にあって全国各地への移動に気を遣うことが多くなってきています。
1年前誰がこの状況を予測したでしょうか・・・。
個人的に講演やセミナーが困難になって仕事量が減少しましたが、新しい仕事の依頼も頂いていてありがたいことです。
 
 最近、顧問会社の設計長から質問を受けました。
お客様に満足を与える設計の在り方に対するものでした。
いつも真摯に仕事に取り組むその姿には僕も応援したい気持ちでいっぱいで、自分のかつての経験からお話をさせていただきました。

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 支店長時代、設計の一人一人が顧客満足を意識していたように感じます。
入居後1年たったお客様の声を題材にしてどうしたらさらに満足度が向上出来ていくのかをみんなが模索していたように振り返ります。
 仕事では厳しいある種鬼の支店長でもありましたが、懸命に顧客満足を追求する彼らの姿には熱い思いを感じることもしばしばでした。

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 そんな彼らの声を振り返ってみますと・・・。
・印象に残るプロの設計者になれていない。
・プラスアルファの提案が不足している。
・トータル設計(プラン・外観・インテリア・外構)にこだわるようにしていく。
・癒し、防犯、健康に関する提案をしていく。
・服装や挨拶など、接客の基本を身につける。
・お客様に関心を持ち、お客様が求められる住まいを理解していく。
・採光や、通風、動線を意識する。
・建具の使い勝手、キッチンの明るさ、バルコニーの広さ、収納量を考える。
・設計としての考えをアピールすると共に自信を持ったアドバイスをする。

 設計である彼らが入居後1年経過したお客様の声に真面目に耳を傾け、さらにお客様からの期待に応えようと努力したものでした。

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 そういった努力が実を結んだ一つの表れが、新居が完成して入居されたお客様からの「新築パーティ」への招待でした。
ほとんどのお客様が新しい住まいへの感動もあって「新築披露」をなさいます。
身内で実行される方が多いのですが、設計社員や営業、建築担当者やコーディネーター、時には大工さんまでお招きいただいたこともありました。
 そして私が何よりも嬉しかったことは、そういったお客様が次なるお客様をご紹介してくださったことです。

 お客様の視点で「住まい」を考えていくこと。
お客様からの期待をしっかりと受け止めて提案という形にしていくこと。
「感動」を味わって「家づくり」の素晴らしさを実感すること。

 住宅産業は本当に素晴らしい仕事です。


カテゴリー:接客/サービス
author: Masahiko Kato
 「温故知新」という言葉がありますが、最近ふと自分の人生を振り返ることが増えてきています。
独立して3年目、まだ私の両親が健在だったころ岐阜県美濃加茂市の実家の離れを本社登録して仕事はじめとしました。
 そんなとき、ある雑誌の企画で対談したのが元巨人軍の西本聖さんでした。

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 西本さんといえばゴールデングラブ賞を8回も受賞しておられ、また巨人の主戦投手としてあの江川卓とライバル関係を構築しながらチームの優勝に貢献されました。
1980年から1985年まで連続して2桁勝利を記録しておられ特に1981年は18勝と活躍は素晴らしいものでした。

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 そんな野球界の偉人から質問され恐縮しながらお話したことを鮮明に覚えています。
西本さん「組織全体を強くするという点では企業とプロ野球チームはよく似ていませんか」
私「その通りだと思います。マネージャー時代は野球の監督の様な気持ちになりました。
社員それぞれが持っている個性や才能をどうやって生かすか、同時に組織としていかに戦うかを常に考えていました」
西本さん「組織内のコミュニケーションは当然必要ですが、チーム内で競争意識を持たせることも必要ではないですか」
私「ええ、同じ組織にいる仲間であってもよい意味で競い合うことを提唱しています」
西本さん「競争がないとレベルが上がらないのは野球も企業も同じでしょうね」
私「大切にしていることの一つが社員満足度です。例えば社員が笑顔であればお客様に伝わり、それが業績に反映されます。会社の業績が良くなれば社員はさらにやり甲斐を感じて、さらに力を発揮してくれるはずです」
西本さん「野球も勝つ喜びを知れば自主的に練習するようになります。」

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 そしてこんな質問も頂きました。
西本さん「今後の抱負を教えてください」
私「独立して3年、コンサルしている企業のほとんどが業績向上しています。とても嬉しいことです。今後も多くの企業のお役に立つよう貢献していこうと考えています」
西本さん「これからも多くの会社を元気にするための活躍を期待しています。

 雑誌に掲載された部分以外にいろいろと西本さんの野球人生についても質問させていただきました。

 愛媛県・松山市の興居島に生まれあまり裕福ではない家庭で育ったとお聞きしました。
松山商業時代は甲子園経験はありませんが、1974年ドラフト外で巨人軍に入団、なかなか日の目を見ませんでしたが、入団4年目で8勝を挙げ1軍に定着していきます。
 当初のライバルは定岡、その後江川が入団して新しいライバルとなります。
今だとびっくりですが、長嶋監督から20発の往復ビンタを受けたりもしておられます。

 通算勝ち星は165勝、ドラフト外入団選手としては最多記録です。(素晴らしい)
あの足を高く上げて投げる独特の手法、切れ切れのカミソリシュートは圧巻でした。
沢村栄治賞も1981年に受賞しておられます。
 背番号は58・26・25・24・52・90・71・81・72・87と経験しておられます。
つまり、巨人・中日・オリックスの選手時代、その後はコーチとして様々なチームで指導にもあたられたということです。

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 苦労人であるという感じを受けました。
だからこそ、言葉の端々に共感する部分もたくさんありました。
強く握った手の温かみが印象的だったことをしっかりと覚えています。
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
 自分の事で恐縮ですが、最近整理整頓が日常化してきています。
整理とは入らないものを捨てること。
整頓とは必要なものがすぐに取り出せる状態にしておくことです。
整理整頓の徹底は能率アップにつながりますね。

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 かつての研修のレポートを整理していると懐かしいレポートが出てきました。
それは2007年10月1日に某住宅メーカーの新入社員さんから私宛に頂いたものでした。

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『こんばんわ、加藤先生。〇〇株式会社の□□です。
朝晩が肌寒く感じるようになってきましたが、加藤先生におかれましては、ますますごご清栄のこととお喜び申し上げます。
私は元気だけが取り柄のような人間なので元気いっぱいです。

 さて今回は一つ報告をさせていただきます。

 9月30日に1件ご契約をいただきました。
利益率や原価支出など手放しで喜べる内容ではありませんが、何とか1件ご契約いただきました。
 今回の件で、契約書をはじめとする書類の作り方やスケジュール調整など学ぶことが非常に多いものにもなりました。
 また周りの設計者や所長、先輩、支店長にたくさんの力添えを受け、支店のみんなでとらせていただいたようなもので感謝に尽きる契約となりました。

 お客様から契約書に署名捺印をいただき握手をした際には、感極まって涙が出ました。
競合との判断材料が値段であったことは間違いありませんが、「□□さんから買いたい」とお言葉を頂いた時には非常にうれしいことだと実感しました。
しかし、これからが家づくりのスタートなんだと気持ちを引き締めることに今は気持ちが向かっています。
これからも頑張ります。

 ひとまず、加藤先生にご報告をと思いまして、メールさせていただきました。
加藤先生にお会いして、レクチャーを頂戴してから、気持ちは常に前向きです。
ご契約いただいたお客様はもちろん、次の契約に向けて前進いたします。
契約後のお客様に対することで、何かご指導いただけるならよろしくお願いいたします。

 まずはご報告までに。』

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 そういった内容のものでしたが、実はこういった受講生の方からのメールは講師としてはとても嬉しいものです。
まさに講師冥利に尽きるといっていいでしょう。

 こういった一言を頂く喜びのために、日々懸命に仕事に向かっているといってよいかもしれません。
 ありがとうございます。□□さん。
今はどうしてらっしゃるのでしょうか・・・・?
推測ですが、おそらくあなたは以前よりまして人生を真摯に生きてらっしゃると思います。

 
カテゴリー:接客/サービス
author: Masahiko Kato
 毎年恒例ですがオリコン満足度調査が発表されます。
今日は少しこの件について触れてみたく思います。
 満足度調査は保険・金融・塾・スクール・生活・通信・住宅・小売り・トラベル・美容・スポーツ&ヘルス・ウェディング・人材など多種に至ります。

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 住宅関連でも多くの企業が2020年度の受賞に輝いています。
不動産仲介部門、分譲マンション管理部門、賃貸情報店舗部門、リフォーム部門、分譲マンション部門、ハウスメーカー注文住宅部門、建売住宅ビルダー部門、建売住宅メーカー部門など様々に及びます。
 また地域を配慮してエリアごとのランクも発表されています。

 個人的に関心が深いところで言うと・・・・
リフォームではパナソニックリフォームが第1位
ハウスメーカー注文住宅ではスウェーデンハウスが第1位
建売住宅のハウスメーカーでは積水ハウスが第1位として受賞していました。

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 お客様はどんなところを重要視しているかを検証すると・・・
1、住宅の性能 16.69%
2、モデルハウス 8,85%
3、アフターサービス 8,81%
4、金額の納得度 8,27%
5、設備・内装の質 8,06%
6、打ち合わせのしやすさ 7,88%
7、営業スタッフの対応 7,71%
8、ラインアップの充実度 6,55%
9、施工担当者の対応 5,15%
10、デザイン 4,97%…となっています。

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 その中でも個人的に一番関心度が高い注文住宅ハウスメーカー第1位のスウェーデンハウス株式会社については僕も何度か社員さんたちの研修の講師をさせていただきました。
 受講される社員さんたちがみな真摯で講師としても大変気持ちよく仕事をさせていただいた記憶があります。

 このスウェーデンハウスは過去5回の調査にあっても第1位を獲得、さらに、打ち合わせのしやすさ、営業スタッフの対応など、なんと14項目のすべてで第1位となりました。
とても素晴らしいことです。
 実際に建築されたお客様からは「デザインが洗練されている印象だけではなく、気密性や断熱性などもしっかりしていることを実感した。営業、設計、工事の方々も大変親身になってくださって安心した。」「施工管理が厳しく建築場所周辺の気配りができていました。新築後7年たっても不具合にはきちんと対応していただき気持ちがよかった」などのお客様の声も届いています。

 ちなみに住宅メーカーのランキングはというと・・・
第1位 スウェーデンハウス
第2位 旭化成ホームズ
第3位 積水ハウス
第4位 住友林業
第5位 三井ホーム
第6位 一条工務店
第7位 パナソニックホームズ
第8位 積水ハイム
第9位 大和ハウス工業
第10位 ミサワホーム・・・となっています。

企業にとって最も大切なことは顧客に近づくことだと考えます。
各企業にあっては顧客満足について更なる関心を持って取り組んで頂く事を希望します。

 
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
 「いいかい、営業の仕事はお客様に関心を持つことなんだよ」
「営業にとって本当の意味での仕事時間はお客様とお会いしている時間だよ」
そんな話をすることがあります。
 これはかつて住宅会社でマネジメントをしていた当時も、よくメンバーに対して話していたことでもあります。
 また実際に私自身が自分の住宅営業時代にも実践していたことでもあります。

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 人は不思議なもので、会社に顔を出して自分のデスクに座っているだけで何かしら仕事をしているような気分になってしまいます。
 ところが営業社員にとってはそういったことだけで結果に結び付くものではありません。

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 新人時代、当時の積水ハウスはある意味厳しい会社でした。
入社してすぐさまカルチャーショックを受けました。
「加藤君、朝は9時半迄には会社を出なさい。夜は10時まで帰ってこなくていいから」
ウソのような本当の話ですが、「どこへ行けばいいですか?」という私の質問に対して「住まいに困っている人はいっぱいいるだろう、自分で探しなさい」でした。
 また「何を話したらいいですか?」という私の問いに対して「そんなことはお客さんが教えてくれる」でした。
確かに先輩社員も忙しそうな人ばかり・・・質問するのも気が引ける様な状態でした。
 まずは近隣の賃貸住宅や借家に顔を出して営業をスタートさせた事を覚えています。
何度も何度も断られて少しづつ少しづついろんな工夫をして学習したことで自分の営業ができるようになっていったように記憶もしています。
たくさんの断りからお客様の心理を考えて行動するように変わっていったのです。

 現在は時代も変わって新人さんには研修もしっかりとされるようになってきました。
礼儀作法や挨拶をはじめ、様々なマナーも教育されるようになっていると思います。
企業内格差はありますが・・・。

 ただ、私が思うことは意外かもしれませんが、自分の新人当時の上司からの指示についてたくさん、なるほどと納得したり感謝することもありました。
営業の原点はこういうものか…と学ばせて頂いたように感じています。

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 皆さんもよくご存知のように、仕事はあくまでも自分自身のためのものです。
人生のほとんどの時間を費やすことになる仕事はやりがいのある、価値のあるものになることが大切です。

 究極的なことを言えば誰も助けてはくれません。
自分で、自分自身の力で、未来への扉を開いていくことが重要です。
どんなことがあってもポジティブに考えて行動していくことも大切ですね。

 与えられるものと自分から求めるものの違いがそこにはあるように感じています。

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