2020年 02月の記事

February 2020
カテゴリー:接客/サービス
author: Masahiko Kato
 昨年度の住宅着工戸数は90万戸でした。
一昨年から5万戸の減少です。
そして今年の住宅着工戸数の予想は85万戸(僕はもう少し厳しいとみています)
2030年度には60万戸を切るだろうという大変に厳しい時代に住宅会社は突入していくわけです。

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 そんな状況下にまだまだ住宅会社として恥ずかしい現実が存在してもいます。
それは何かというと・・・契約キャンセルという事実です。

 なぜそんな現実が起きてしまうのか・・・?
契約が欲しいばっかりにお客様との人間関係ができてない状態で説得型の契約をしてしまう。
契約金が少額すぎる。
十分な打ち合わせができてない状態で契約だけが先行してしまう・・・。

 実はかつて僕の勤務していた大手住宅会社でもこういった現実が存在しました。
恥ずかしい話ですが、契約実績の報告の時にゴルフのようにグロスでこれだけ、キャンセル後のネットでこれだけの棟数といった発表が行われていたのです。

 これは改善しなくてはいけない!
全社挙げて解約防止に取り組みました。
実際大変でした。
ですが、徐々にではありますが、改善運動は軌道に乗りはじめ約3年かかってキャンセルがなくなる状態へと移行していきました。

 キャンセルはお客様との信頼関係をなくしてしまうものです。
また無駄な業務を多くしてしまうという弊害もあります。
契約至上主義から脱皮していくことが重要ですね。

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 そのためには・・・
1、契約金はできれば契約金額の10%いただくように努力する。
(10万円は申込金という判断をしましょう)
2、説得型契約から、納得型契約へと切り替える。
(色決め後の契約としていきましょう)
3、お客様との人間関係をしっかりと構築する。
4、最終決定図での契約を試みる、
・・・は当たり前化していきたいものです。

 もう一つ重要なこと、それは値引きをしないことです。
適正粗利を頂くということです。
そしてお客様に対してのアフター業務をしっかりと実行する住宅会社になることです。

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 今後、着工戸数がどんどん減少していくわけです。
例えば2200万円の住宅を粗利20%で契約したとすると8500万円の利益確保のためには、約19棟の受注が必要ですが、3000万の住宅を粗利30%で受注すれば8500万円の利益確保のためには半分の9、5棟ですみます。

 住宅会社として襟を正し、企業姿勢をもう一度見直しして経営を考えていきたいものです。

〈追伸〉 コロナウィルスの影響が随分と大きいですね。
   毎日のしっかりとした手洗い、マスクの着用、自分の身は自分で守っていきましょう。
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
 この1週間は関東から中部、そして九州の住宅会社に顔を出してきました。
九州の顧問会社にあっては何と関与してもう9年目に入ろうとしています。
毎月顔を出していますが、業績は順調に推移して売り上げも30億から70億を超え、さらなる成長を遂げようという元気印の住宅会社です。
昨年は新社屋も竣工いたしました。
経営感覚の優れた社長とやる気のある社員さんたちが頑張っておられます。

 さて、昨年度の住宅着工戸数は90万戸ということです。
前の年から5万戸減少しましたね。
そして今年の予想が85万戸という数字が出ています。
もっと先、2030年度には60万戸という予想まで・・・。
いずれにしても住宅業界が縮小産業である事は事実です。
人口の減少、空き家の数はどんどん増えて今や850万戸にまで膨らんできてもいます。

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 今年になって急に客足が鈍ってきたとか、受注が落ち込んできたとか、そんな話も耳に入ってきたりもします。
 そうは言っても順調な住宅会社は今年になっても順調に業績を進捗させています。

 企業にとって重要なことはお客様に近づいていくことですね。
忘れてはいけないことです。
不思議なもので順調に販売が行われ、売り上げが上昇すると企業のトップは鼻高々、俗にいう天狗になってしまうものです。
 需要をしっかりと見極めそれらに対して供給をしていくということを忘れてはいけませんね。
マーケティングは大切です。
住宅会社は地域密着産業、自分たちのエリアを熟知し、またエリア内の他社動向もチェックし、販売エリア内のお客様を理解して戦略を練ることです。

 かつて積水ハウスのサラリーマン時代のことです。
当時の積水ハウスは全国に3つの委員会がありました。
一つは販売促進委員会、一つはCS委員会、そしてもう一つがマーケットシェア委員会でした。
愛知県・岡崎支店長時代の僕は、支店業務のほかに中部のマーケットシェア委員長を任されていました。
そして全国のマーケットシェア委員会副委員長も兼ねていました。
この任務は重要でしたが随分と勉強になりました。
住宅業界にとってこういった意識を強くしていくことの大切さを教えていただくいい機会を頂いたといって過言でありませんでした。
そして今現実を踏まえ住宅購入者に近づいていくことの重要性を感じています。

 多くの住宅メーカーが住宅の質を高め住宅性能が高品質になっていったことはそれなりに意義があると考えます。
ところが反面、いつの間にか住宅の価格が消費者にとって随分と遠いものとなってきた感じも事実です。
住宅メーカーのシェアも落ちてきました。
坪単価100万円近い住宅は一般の消費者にとってはもはや高根の花です。

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 そんな中で最近の動きとして・・・
例えば積水ハウスノイエ、2月から始動し始めましたが2000万円台、坪単価も55万円ほどで購入しやすい価格となっています。
 また大和ハウス工業のライフジェニックはWEB限定商品、ライフスタイル診断でデザインを提案して、なんと対面商談なしで早期に契約するという商品が販売されました。
 ヤマダホームズもWEB商品に力を入れています。
完全企画型のプランで勝負です。

 これらの商品はビルダーの価格帯にあえて合わせた形、ボリュームゾーンを狙った「ねらい目」商品といってよいでしょう。

 今年の冬は暖冬でした。
寒くなくてよかったというよりも来るべく夏が恐怖の暑さを伴うものでないことを祈っています。

 住宅業界は環境問題に対して本当に真摯に取り組まなければならないことも事実です。
昨年も猛威を振るった自然災害は今後ますます増大の傾向にあります。
 一般ユーザーを忘れてないけませんが、住宅会社の使命も考えていくことが課題でもあります。
 人の、家族の命を守る住宅会社の使命を追求しながら、現実的な販売も推進していくこと…住宅会社の今後は様々な企業努力も必要になるといえますが、期待を込めて業界の推移を見つめていきたく思います。



 
カテゴリー:一般の記事
author: Masahiko Kato
 先日11日、戦後初の3冠王となり、監督としても3度の日本一に輝いた野村克也氏が亡くなりました。
 個人的に日本のプロ野球歴代監督の中で一番心惹かれる監督だっただけに寂しい思いでいっぱいです。

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 華やかな同世代の長嶋茂雄氏や王貞治氏が「ひまわり」に例えられることに対して自身を「月見草」に例えておられましたよね。
野村克也さんのプロ野球解説は実に味がありました。
つい「あ、そうなんだ。なるほど・・・」野球の奥の深さを感じさせるものが多かったように思われます。
野村さんの言葉の一つ一つには重みもありました。
それはおそらく幼いころの極貧生活が大きく影響しているに違いないと思われます。

 新聞配達で家計を助け、峰山高校から契約金0円のテスト生で南海入団。
1年目にはシーズンオフに戦力外通告を受ける、だがそのあと何とか頼み込んで契約延長、3年目からレギュラー捕手の座を獲得します。
 65年には戦後初の3冠王、生涯一捕手を貫きロッテ・西武と渡り歩いて45歳で現役を引退しましたが、南海、ヤクルト、阪神、シダックス、楽天で監督として球界に大きな影響力を与え存在感を与えてくれました。

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 解説者時代は配球を画面上で分析する「野村スコープ」で人気を得、データ重視の「ID野球」も有名になりました。
また「野村再生工場」という言葉は我々サラリーマンにも大きな影響力を与えた言葉といってよいと思われます。
 多くの選手が野村監督の指導の下に大きく飛躍していったといって言い過ぎではありませんね。

 現在侍ジャパンの監督を任されている稲葉監督は野村監督が息子克則氏が東京6大学野球で明治大の選手時代に観戦に来てくれという要請で顔を出したところ、たまたま偶然法政大の選手として相手チームの4番バッターでホームランを打ったことで野村監督からヤクルトへと指名されたわけです。
そういう縁がなかったならば稲葉監督はプロ野球とも無縁に終わった可能性が高いわけです。

 「野村引く野球はゼロ、俺から野球をとったら何も残らない」田中将大氏に対して「マー君、神の子、不思議な子」といったボヤキ言葉も伝説になりました。

 僕も個人的にサラリーマンの支店長時代、野球監督としての選手指導の手法を学ばせていただきました。
マネージャー時代には随分と監督業との共通点も感じたものです。

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 本当に多くの野球人からの悲しみの声が届いています。
長嶋、王、張本・・・かつての戦友たちから、福本、堀内、新庄、谷重、古田、小早川、稲葉、高津、矢野、与田、栗山、広瀬、三木・・・多くの球界を代表する野球人や教え子たちからも悲しみの声が絶えません。
また、田原総一郎さんや、萩原欽一さん、細川たかしさん、桂文枝さん、なども新聞紙上で訃報に対してのコメントを綴っておられました。

 野村イズムはこれからもきっと生きていくに違いありません。
野村克也さん、どうぞ安らかにお眠りください。

 
カテゴリー:営業
author: Masahiko Kato
 東京で某企業の幹部研修を実施しました。
今回で第3回目、それ以前に社員研修も4回実施していますから合わせると7回目ということになります。
今回は昨年10月以来の幹部の方あての研修でした。

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 僕の持論に「現実的な話をしよう」「具体的な話をしよう」というものがあります。
具体的な話をするために有効な手法は数字を使うことですね。
また5W2Hを使って話することもいい方法だと思います。

 今回嬉しかったことはこの企業の幹部社員さんたちが数字を使って発表してくださったことです。
 そして何と今回の発表でほとんどのポジションで営業黒字の発表がなされた事でした。
 この会社の幹部さんたちに感服しました。
いろいろとお話しさせてもらいましたが、皆さん従順にお聞きくださったのでしょう。
あるいは「なにくそっ」と奮い立ったのかもしれません。
いずれにしても結果が望ましい方向へ変わってきたことは事実、受講された幹部の皆さんの表情一つ一つが明るく元気で僕も気持ちよく仕事をさせていただきました。

 一つ大きく感心したのは経営トップである会長・社長が最初から最後までずっと研修をご一緒されたことです。
途中のアイスブレイクゲームにも積極的に参加されました。

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 かつてあの「コスモ石油」の全国社長会で講演させていただいたとき、一番前の、それも真ん中の席にコスモ石油の会長と社長がお座りになりずっと終わりまで講演をお聞きになりました。
そして終了後にはまた会長・社長のお二人が講演内容についてご質問をしてこられました。
まさに経営トップが率先垂範、自ら社員の見本となっての行動を実践されました。
さすが「心も満タンに」される企業だと敬服したことがあります。

 トップの行動は重要ですね。
トップの姿勢こそが会社の明日を作っていくといって間違いありません。

 この会社の明日に期待し、また次回の研修を楽しみにしたく思います。
カテゴリー:一般の記事
author: Masahiko Kato
 デザイナー住宅が増えてきているように感じます。
また全体に住宅をつくるという感覚から買うという感覚に変化している感じもします。
そんな中で研修結果から申し上げたいエッセンスがあります。

 実は毎年任される新入社員研修でも重要視していることなのですが雑談のすすめです。
意外に思われるかもしれませんが、世間話や雑談、また住宅業界の常識問題ができていないですね。

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 ひょっとしてこういったことが原因で購入者であるお客様の信頼を裏切っていないか・・・、契約しようとしていたお客様の気持ちを消沈させていないかといささか心配にもなってしまうのです。

 かつて随分とサラリーマン時代は学んだものです。
いろんな知識を身につけることこそが、販売につながっていくものと考えていました。
当時積水ハウスは在来木造と比べて随分と値段的には高いものでした。
また正直なところ見た目がさもプレハブ候で、また当時の商品には自由性が低く販売には苦労が伴いました。
1年目、僕はなんと6棟しか販売していません。
その6棟ともに「このお客さんは建設の気持ちがない」と先輩が見切った名簿でした。
ところが、人間関係を作るところからお客様との折衝を始めて、信頼を頂き契約に至ることができました。(契約までには50回以上の折衝を繰り返しましたが・・・)

 お客様の疑問、心配事、悩みごと、痒い所に手が届く営業でご契約のご褒美を頂いたといって言い過ぎではないように振り帰ります。

 地域のことは随分と調べもしました。(住宅は地域密着産業ですから)
住宅の知識もたくさん学びました。
プランつくりの勉強も懸命にしました。(センスは今一つでしたが・・・)
家相や風水、鬼門なども学びました。
お客様から出てくる質問には答えられるように努力しました。
そして宅地建物取引主任(現在の宅地建物建物士)の資格も初年度に取得しました。

 結果は正直でした。
いろいろと理論武装した僕はお客様からの信頼を頂けるようにまでなったのです。
初年度契約していただいたすべてのお客様から頂いた言葉は皆共通しています。
「私は加藤さんから家を買います」「あなたと契約するのです」
嬉しかったですね。
お客様のご自宅で何度お食事を頂いたことでしょう。
うそのようですが、中にはお客様のお宅に宿泊したこともあります。

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 時代も違います。
すべてをまねしていただこうなんて考えません。
ただ申し上げたいことは、自分の仕事です。
もっとお客様の気持ちになっていろんな知識を自分のものにするよう挑戦したいですね。
信用・信頼をお客様から頂ければ間違いなく仕事における実績も上がっていくに違いありません。

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 まずは雑談から始めましょう。
そしてお客様に関心を持ちましょう。
関心を持つということは愛情を持つということにつながります。
こちらが関心を持てばお客様も好感を持ってくださいます。
好循環の営業パターンが進んでいきます。

 プロとは何か・・・・?
結果を出す人です。
結果を出して本当のプロとなるための近道、まずは雑談(世間話)からスタートしましょう。