台風の関係で新幹線が動かず東京で思わぬ立ち往生でした。
改めて自然災害の恐怖を再認識せずにはおられませんでした。
 皆様方のエリアにおいては台風の被害状況はいかがでしたか。
災害に遭遇された方々に対して心からのお見舞いを申し上げます。

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 住宅業界に身を置くものとして住宅は我々を守ってくれるシェルターの役割を果たしているものと考えています。
住まいを考えるうえで重要な要素は数多くあり、人それぞれの価値観で何を重要視するかは違ってきますが、住宅供給者側としての責任として自然災害に強いことは大切であり、そこに住まう人間の安全を提供していくことも必要不可欠であると考えます。

 外観・デザイン・構造・予算・プランニング・・・いろいろな選択肢がある中で何を一番重要視するか、住宅購入者としては迷われることでしょう。
 昨今は決定権者が主人から奥様へと大きく変化していることもあり、どちらかといえばハードな面よりもソフトな部分が選択の比重を占めてきているようにも感じています。

 全国の住宅会社に顔を出していて感じることがあります。
かつてと比較して随分と営業力が弱体化してきている感じがしてなりません。
また購入者側であるお客さまも、極論ではありますが「家を建てる」という感覚から「家を買う」という感覚へと幾分変化しているようにも感じます。

 積水ハウスの新人時代、何度も何度もお客様宅へ顔を出しました。
新人時代の顧客名簿を振り返ると契約まで50回以上の訪問を繰り返しています。
家を契約してもらうためには自分自身をいかに信頼してもらうかが大きなポイントだったように振り返ります。
「積水ハウスと契約するのでなく加藤さん、あなたと契約するんだからね」なんて言う言葉を随分と頂いた記憶があります。
営業冥利には尽きるのですが、少し現在の住宅営業の形とはズレを感じてしまいます。

 SNS全盛の時代になってWEB対策を強化している会社が増えつつあります。
僕もまた住宅販売の極意として現在そういった情報網を重要視していく手法に賛成です。

 ただそういう中で「天は二物を与えず」といいますが、数多くの情報やお客様からの引き合いを頂いている住宅会社の社員さんたちには意外かもしれませんが営業力が弱いように感じられます。

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 かつての新人時代、当時の積水ハウスはもちろん鉄骨オンリー、屋根材はカラーベストだけ、屋根勾配は皆一律で2寸5分、瓦希望のお客さまには要望が受け入れられず、積水ハウスには失礼ですが外壁はプレハブそのもので、大きな目地が浮き彫りで、もっと何とかならないものかと常々感じておりました。また価格も通常の住宅の1,5倍ほどしたと記憶しています。

 売りにくい住宅を何とか販売に持っていくために様々な工夫をしたように思います。
その大きな一つが住宅を販売するのではなく自分自身を信頼してもらって契約へと結び付けていくということでした。

 今、多くの住宅販売の営業に申し上げたいことがあります。
「人は知らない人から住まいを買わない」ということです。
もっともっとお客様に近づいていってほしいのです。
顧客をしっかりと理解したうえで、また反対にお客さまにもしっかりと皆さんを知ってもたったうえで契約行為を成立してほしく希望します。

 新人時代、お客様は皆年長の方々ばかりでした。 
様々なお客様から人生を学ばせていただきました。
毎日が勉強の時間だったような気がしてなりません。
そんな日々の繰り返しの中から自分磨きができてきたように振り返ります。
住宅産業は素晴らしい仕事です。
お客様の身を守り、夢を実現し、お客様が一生に一番大きな買い物となるものを私たちが提供するのです。

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時代が変わり積水ハウスも設計度の自由さが向上し、様々な構造の住まいが商品化され、高級感あふれる外観もあり、地震や火災、風にも強い住まいも提供されています。

 住宅が売れない、どうしたら売れますか・・・と悩むよりも、もっともっとお客様に関心をもってお客様の胸の中に入っていく勇気を持っていただきたいものです。