ますます「個」の時代になっているような気がしてしかたありません。言葉というコミュニケーション手段が減り、笑顔という優しさの欠如やお互いの声の掛け合いが出来なくなってきている感がします。
 多くの人間を抱え、組織を動かして成功に導いた人間の一人として思うのは、コミュニケーションこそがお互いの心の潤滑油であり、信頼関係を作る上での大切な要素だという事です。よく言われる「報」「連」「相」はその信頼を構築する重要な手段です。
 毎朝のチームミーティングの徹底、現役時代、120名(派遣社員他を含めると150名)のメンバーに対し口すっぱくその必要性を問いました。全員が集中して打ち合わせに参画する為には電話も入らないほうがいい、当然携帯電話はマナーモードです。・・・というかこの時間は社員全員がミーティングに入っているため社内の電話は入りません。取引業者もミーティング中だということを知っています。だから時として入るお客様からの電話については要注意ということなのですが、これも重要なものとそうでないものの区別をつけておいていいと思います。稀にクレームがあります。これはすぐに対処するべきものです。スピーディな対応が必須条件です。ですからレアケースとして考えておいていいと思います。
さてチームリーダーはその日の指示をメンバーに伝えます。昨日のメンバーの行動の振り返り、そして当日の行動予定を各自が発表します。時間を気にすることなくきっちりとリーダーは検証し明確な指示をすることが必要です。間違っても面倒くさいなんて思ってはいけません。リーダーの重要な業務なのですから。そうなると一つのチームの人数がどのくらいが適切かという事になります。私はリーダーを含め4~5名が適切だと考えます。時間の目安は1時間です。ここでは基本であるプラン・ドゥ・チェックの徹底です。もっと言えば、その後のアクション・アチーブメントとつながります。とにかく業績の出ていない会社はこれが出来ていません。
 「組織」は生き物だと私は常々言ってきました。「組織」は毎日形が変わります。方向性も変わります。必ずしも右肩上がりとは限りません。その為にも強いリーダーシップが必要です。きっちりとした朝のミーティングから「組織」の塊ができていきます。人間一人ひとりは本当に弱いものです。私はそれを実感してきました。砂上の楼閣とならない為にも基本の徹底をとにかく継続していく事です。時には我慢比べの時もあります。一人ひとりの部下との個人の対話も重要視してください。人は感情の動物です。感情コントロールが上司の腕の見せ所です。今日も部下の胸の中へ愛情のこもった「絶好球」を投げてやって頂ければ・・・と思います。