講演やら企業研修させて頂くときにはいろんな話をします。「組織」と「集合体」の相違についてもお話します。意外な事に「会社は組織ですか、それとも集合体ですか?」と尋ねると(どっちだろう)という顔をされる方も多くいらっしゃいます。あまりに不可解な人たちが多いと、つまりはひょっとしてその会社が組織としての機能を果たしていないのかなと首をかしげてしまうこともあります。
 実は御存知の方もあると思いますが6月22日から『住宅産業新聞』に「情熱コンサルの元気日記」というタイトルで新人向けの連載を書かせてもらっています。正確に言うと1~10回までが新人を対象としてかかれており、11回~20回までが個人エッセイという形です。10月初めでは9回目の連載中でありまだ新人について書いています。新人の持っている力の大きな一つが「従順力」です。これは単純に人の話を素直に聞き、自分のものにしていくというものです。伸びる人はこの力が強い人です。ベテランの人でもこの力が強く、人生いつまでも勉強だ、といって取り組む人がみえます。そういう人は大体において輝いています。そしてまた成績も優秀な人が多いと思われます。研修などしてもその事業所のトップがが熱心で自分から率先垂範で受講されるときもあります。こんな時は社員の方は勿論懸命に学ばれます。ところがトップは顔を出さずやらされているといった感じで受身型の受講者もいます。部屋から出たり入ったり、携帯電話が鳴ったり、遅刻や早退が頻繁にあったり、つまり本来「組織」である筈の会社が「集合体」状態になっているのです。研修も主体的参加ではないのですから欠席も目立ちます。こうなると組織のタガの弱さを感じます。「組織」とは皆が共通の目的を持ちその目的に向かってお互いが協力しながら進んでいく集団を言います。そういった組織になっていないのです。おそらく上司が真剣に彼等を叱ったりすることなどまずないのでしょう。ということは当然誉めることもしていないと予測できます。果たしてそれで人が育つのでしょうか?また、業績が向上するのでしょうか・・・。組織は生き物です。また組織の塊度が強ければ強いほど業績も上がるものです。積水ハウスでの全国一の支店長時代一番気を使ったのがこの点でした。業績は実に正直です。業績が下降線をたどってきたとすればその全ての責任はその組織のトップにあります。社員はトップの行動を眼を皿のようにしてよく観察しています。一言で言えばトップが率先垂範で社員の牽引車になればまず間違いなく業績はアップするといって過言でありません。このことは教訓として私の中に焼きついています。