畳の上で水泳の練習をしても決して上達はしません。研修時に時折、ロールプレイングを実行する事があります。ロールプレイングをやってもらうと実に素晴らしく、拍手喝采という人がいます。ところがそういう人が現実に業績を上げているかというと決してそうではありません。意外といえば意外なのですが、何かが欠けています。何が欠けているのでしょうか?答えはお客さまの気持ちを汲んでいないということです。営業は口下手でもいい味を出す事もありますし、そんな人でもトップ営業が存在します。

会社によっては、展示場での接客の様々なパターンを想定して、玄関先、キッチン、リビング、和室など場所によるロールプレイングを実行しているところもあります。ここでは実行する事の是非を問うているのではありません。実行は素晴らしいことで賛成です。ただ手法に工夫が必要だと思うのです。お客さまの気持ちを注入して頂きたい。お客さまへの顧客満足アンケートでもそうですが、会社側の勝手や上司の自己満足・・・というか都合の良いように行われている場合があります。顧客満足の為にはお客さまアンケートは大切だというばっかりに、建物をお引渡しした顧客から100%アンケートを回収しなさいとかいうのもそうですし、展示場でお客さまが聞きたくもない話をする必要はありません。もっと自然体でフランクに接客してみましょう。まずはお客さまのお話を聞くことです。その為には、季節の話、時のニュース、趣味、家族、地域の話、住宅への夢などでアプローチしコミュニケーションしていくといいでしょう。あくまでお客さまの関心事、興味のある話を中心に接客するという事です。また顧客アンケートは書かない意思も理解し尊重するべきです。選挙でもそうですが投票しない意思もあるのではと思います。同様に顧客へのアンケートは無理強いするものであってはならないのではないでしょうか。

もっとお客さまの視点に立つべきです。その為には営業は時にはお客様体験をしてみることです。岡目八目の言葉ではありませんが見えない部分が見えてくるはずです。例えば最近トヨタ自動車が新戦略「レクサス」を開始しました。ベンツやBMWなどに対抗して高級車での新戦略、今後ますます顕著になる少子化社会、人口減少社会を生き抜くための施策とも考えられます。そしてこれはまさに車業界に住宅の販売方法を導入したものと僕は捕らえています。ですから顧客の立場で「レクサス」を見に行ってみたらいかがでしょう。参考になる点大いにあるのでは・・・。