生き残る為に必要なものは強いものでも賢いものでもなく変化していける事。変わっていくことが出来る企業は存続する。いろんな会社へ顔を出させて頂きます。人間とは不思議なものですね。過去の成功体験が固定化してしまう。そして安穏として構えてしまう。そうなると変化を望まない。自分の会社だけは大丈夫だと勘違いしてしまうものなのですね。変化こそ常道と考え時代の流れに敏感に対応する必要性を感じます。

 先日、前の三重県知事で現早稲田大学院教授の北川正恭氏の講演を聞く機会を持ちました。北川さんのお話の中で、国と地方との関係が以前は「主従関係」にあった、ところが今は「対等・協力」の関係になりつつあるという話がありました。僕は企業のあり方にもその必要性を感じるのです。上司と部下の関係は「主従関係」でなく「対等・協力」の関係であるべきと。 C ・ S の必要性を叫ぶ企業が多くなり歓迎される事ですが、 E ・ S の出来ていない企業に C ・ S を口にする権利があるかどうか疑問でもあります。住宅関係のメーカー A 社が肩書きで名前を呼ばずに「…さん」と呼称しているのは好感が持てます。おそらくお客さまも好印象を持たれる事でしょう。

 人間っていうのはほとほとダメなところがあって、トップになると自分が偉いものだと勘違いしてしまう…。私も実は支店長時代に経験があります。チヤホヤする社員や、業者にも責任があるともいえますが、今社内の関係ももっとフラットな関係が望まれるのではと思います。そうでないと風通しの悪い組織になってしまう、そしてそれが業績に影響してきます。

 福島県  矢祭町 の改革などは素晴らしい変化だと思います。人口7000人、合併しない宣言をして、町の自立に力を入れる。45歳から町長を4期続けて、67歳で辞任を口にする根本町長に対して町民が「やめないで」と役場へ押し寄せる、野党の共産党議員までが辞めないでくれと議会で先頭に立って懇願する、フレックスタイムで正月を含め365日町民の為役場を開ける、助役さんが率先してトイレ掃除をする、役場職員の自宅が出張役場となる、町議を18人から10人へ減少する、町長の給料を67万から53万へ削減する…町民に浸透する変革。本当の行政改革の姿を見るような感じがします。

  「大変」という言葉は大きく変わること。「大変」を前向きに捕らえて勝ち残っていく会社であってもらいたいものです。